研究課題/領域番号 |
01570959
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
大橋 淑宏 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60160602)
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研究分担者 |
桝谷 治彦 (枡谷 治彦) 大阪市立大学, 医学部, 助手 (10190357)
小西 一夫 大阪市立大学, 医学部, 助手 (50145801)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 滲出性中耳炎 / 粘液線毛系 / エンドトキシン / ウイルス / 中耳貯留液 / 線毛運動 / 薬物療法 / 電子顕微鏡 / インフルエンザウイルス / ヒスタミン / 滲出生中耳炎 |
研究概要 |
モルモットに、1)黄色ブドウ球菌、2)エンドトキシン、3)インフルエンザAウイルス、4)ヒスタミン、5)血小板活性化因子(PAF)などの鼓室内注入、6)剤射線照射、7)二酸化窒素暴露などを負荷し、1)以外の因子負荷によって実験的滲出性中耳炎を作製しうることを認めた。また、5)および6)以外の因子によって惹起される滲出性中耳炎は一過性のモデルであることも確認した。このようなモデル動物の粘液線毛機能と上皮細胞の微細形態の観察成積より、滲出性中耳炎の発症機序には(1)粘液分泌細胞の増加や機能亢進、(2)血管透過性亢進による滲出液の増加、(3)線毛活性の低下、の3因子が関与していた。このうちで、(1)あるいは(2)の因子に(3)の因子が加重された場合にのみ、滲出性中耳炎の発症することが認められた。また、(3)の線毛活性に関しては、耳管内および鼓室口部の線毛活性が特に重要であり、他の部位の線毛活性は決定的な因子とはならないことも確認された。また、6)および7)の因子負荷によって発生した遷延性の滲出性中耳炎においては、耳管内および鼓室口部の線毛活性の改善は長期間にわたって不良であった。したがって、滲出性中耳炎の治療の標的は耳管内および鼓室口部の線毛活性の改善にあることが示された。 そこで、種々の薬物の線毛活性に及ぼす影響を実験的に検定しSーcarboxymethylcysteineおよび柴苓湯には線毛活性を賦活する薬理作用のあることを見い出した。次に、これらの薬物をモデル動物に投与し、滲出性中耳炎の治癒機転を促進しうるか否かを検討した。この結果、これら2種類の薬物は実験的滲出性中耳炎における耳管内および鼓室口部の線毛活性を賦活化し、その治癒機転を促進することが確認された。また、本研究の最終的目である治療への応用として、これらの薬物を実際の滲出性中耳炎症例に投与し、臨床的にも有用であることが確認された。
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