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誘発耳音響放射による聴器音響受傷性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570960
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 耳鼻咽喉科学
研究機関独協医科大学

研究代表者

田中 康夫  獨協医科大学, 医学部, 教授 (80129048)

研究分担者 岡田 真由美  獨協医科大学, 医学部, 助手 (50177060)
井上 庸夫  獨協医科大学, 医学部, 助手 (20184757)
研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード誘発耳音響放射 / 騒音難聴 / dip型聴力損失 / 騒音環境 / 聴器音響受傷性
研究概要

騒音の曝露によって起る聴器障害の程度の個体差は大である。この個体差が何に基因するかは未だ不明である。誘発耳音響放射(OAE)は内耳の微小機械系振動の外耳道への投影と考えられており、騒音難聴の初期像であることの多いdip型聴力損失との関係が示唆されている。本研究ではそのような関係の有無を実際に騒音環境下にある中学校女子吹奏楽部の部員および、板金工場の従業員に対し動特性分析器および現有の聴力検査機器を用いて施行したOAEならびに聴力の測定結果より検討した。
1.吹奏楽部員62名118耳の調査結果、1)dip型聴力損失を有する耳は純音オ-ジオグラム上は10.2%に存在し、連続自記オ-ジオグラム上では59.4%に認められた。2)持続が6ms以上であったC-OAEは50耳42.4%に検出できた。3)純音オ-ジオグラム上にdipのある耳は、C-OAE(+)耳で16.0%、C-OAE(-)耳で5.9%であった。連続自記オ-ジオグラム上でdipのある耳はC-OAE(+)耳で82.0%、C-OAE(-)耳で34.8%であった。
2.板金工場で騒音下作業7年以上の従事者34名52耳の調査結果、1)連続自記オ-ジオグラム上で高音急墜型の聴力損失は2耳3.8%dip型聴力損失は34耳、65.4%に見られた。2)C-OAEは17耳32.7%に認められた。3)C-OAEのみられる耳において高音急墜型およびdip型聴力損失を示す耳の割合は82.4%、C-OAEのない場合には62.9%であった。
C-OAEをもつ耳の頻度は正常聴力群で3.0%、dip型聴力損失群および一側dip型健側群で約90%であることを以前に報告した。今回の実際の騒音環境下での調査においても、主として騒音障害の初期像であるdip型聴力損失の発生頻度はC-OAEをもつ耳で高いことが示された。C-OAEは内耳の微小機械系の可動性に関係があるので、音響受傷性の個体差の一因子と考えられ、易傷性の予知に役立つ指標といえる。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] TANAKA Yasuo: "Evoked otoacoustic emissions in ears with unilateral hearing loss" Il Valsalva.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] TANAKA Yasuo: "Evoked otoacoustic emissions in sensorineural hearing impairment:Its clinical implications" Ear Hear.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 田中康夫: "誘発耳音響放射研究の来歴" 耳鼻咽喉科・頭頸部外科. 62. 17-24 (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 井上庸夫: "OAE測定時における刺激依存性反応" Ear Res Jpn.20. 215-216 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 井上庸夫: "誘発耳音響放射の持続性と年齢" AUDIOLOGY JAPAN. 32. 359-360 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 岡田真由美: "誘発耳音響放射の遅延成分" AUDIOLOGY JAPAN. 32. 389-390 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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