研究概要 |
1.論文の完成・出版:既に平成2年度内に本研究に関わる論文3編を出版した。平成3年度は更に2編を出版した。1編は,水平および垂直逆転プリズム装着下自由歩行における研究成果を,研究分担者の一人の学位論文として完成させたものである。他の1編は現在in pressであるが,逆転プリズム装着下で動揺病が起こった際ataxia test batteryを行い,平衡失調を客観的に証明した内容をAviat Space Environ Medに発表したものである。 2.身体平衡制御機構の解明:動揺病における平衡失調の証明をきっかけとして,レ-ル上起立機能を用いてトレ-ニング効果と個体能力についての研究が始められた。レ-ル上起立時間を測定するという単純な実験によっても,1日20回7日間継続することにより,極めて普遍的なトレ-ニング効果の性質,および個人の生来の能力がトレ-ニング効果に及ぼす影響が解明されつつある。興味深いことに,開眼の狭いレ-ル上起立で練習しても,開眼の広いレ-ルで練習しても起立能力の向上に差が見られていない。 3.動揺病感受性の年齢変化:成人で明らかにされたプリズム酔いの結果が小児ではどのように修飾されるかを調べるため,現在の5〜10才小児を対象として,歩行実験を行いつつある。早晩,学術論文としてまとめられる予定である。 4.研究成果報告書の作成:研究成果として出版された論文および出版予定論文を主体として,研究成果報告書を作成した。
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