研究課題/領域番号 |
01570971
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
望月 學 東京大学, 医学部(分), 助教授 (10010464)
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研究分担者 |
前田 陽 東京大学, 医学部(分), 助手 (80209395)
江口 秀一郎 東京大学, 医学部(分), 講師 (30160352)
白土 城昭 東京大学, 医学部(分), 講師 (80111524)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 免疫抑制剤 / FK506 / シクロスポリン / 15ーデオキシスパ-ガリン / 実験的自己免疫性ぶどう膜炎 / ラット |
研究概要 |
我が国で開発された2つの免疫抑制剤、FK506と15デオキシスパ-ガリン(DSG)について、実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)に対する効果を検討した。S抗原免疫後毎日いずれかの薬剤あるいはシクロスポリン(CsA)でラットを治療しEAU発症抑制と免疫抑制を調べた。FK506は、CsAの1/10〜1/30の用量でEAUを抑制し、DSGはCsAとほぼ同じ用量で抑制した。S抗原に対する抗体価はCsAでは抑制されなかったがFK506とDSGでは強く抑制された。S抗原に対するリンパ球増殖反応はいずれの薬剤でも抑制された。これらのことから、FK506はCsAに比べてはるかに強いEAU抑制効果をもつことがされ、DSGはCsAとほぼ同等と考えられた。更に、ラットがEAUを発病した直後からFK506治療を開始したところ、治療群は非治療群に比べてぶどう膜炎の程度が有意に抑制され、こえらのことから、FK506はぶどう膜炎発症抑制のみならず治療効果も優れていると考えられた。各薬剤の治療(低用量でEAUが弱く発病する量)を受けたラットの眼球内の浸潤細胞を、免疫病理学的に検討した。非治療のEAU発病ラットでは、網膜内にヘルパ-T細胞が最初多くみられ、又、IL-2受容体陽性細胞、Ia抗原陽性細胞もみられたが、経時的に、サプレッサ-T細胞が増加した。一方、FK506治療を受けたラットでは、これらの免疫細胞の数が極めて強く抑制された。DGSによる抑制が最も弱かった。非治療ラット群の体重と治療群の体重を比較検討したところ、DSGが最も強く体重減少を起こし、次いでFK506とCsAであった。 以上の結果から、FK506はぶどう膜炎の治療薬として今後臨床的にも用いられる可能性をもつものと考えられた。
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