研究分担者 |
高橋 久仁子 岩手医科大学, 医学部, 副手
福田 敦 岩手医科大学, 医学部, 助手 (40218920)
高橋 奈美子 岩手医科大学, 医学部, 副手
吉村 弦 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60210770)
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研究概要 |
上記の研究期間中に下記の成果を得た。 1.動物眼のERG・c波を単離するために投与するアスパラギン酸Naあるいはヨ-ド酸Naの至滴濃度(家兎でそれぞれ452mM,30mg/kg)を定め,c波研究のための基礎を作った。 2.単離したc波とslow PIIIの明暗順応による波形の変化から,両波ともその発生には杆体のみならず錐体由横の成分を含み、錐体一杆体相互作用が存在している所見を得た。 3.網膜の内・外網状層で放出されるGABAとglycineおよびその拮抗剤はとヨコ摘出網膜のc波波形にそれぞれ特有の変化を及ぼしたことから,c波の発生への網膜内層の関与を証明した。 4.錐体性c波の研究のため,ニワトリ眼を白色光あるいは色光で順応した上で単色光刺激によるc波を記録する装置および実験手技を確立し,この領域の研究の道を開いた。 5.上記の装置で,暗順応あるいは白色光順応での単色光ERGを記録し,c波のスペクトル感度曲線を得た。この曲線は暗順応,募刺激では杆体ロドプシンの吸光度特性に,強刺激では錐体アイオドプシンの吸光度特性および明所視比感度曲線に近似していた。黄色あるいは赤色の順応下での単色光ERGからのc波スペクトル感度曲線はそのピ-クがいずれも白色光順応の場合よりも短波長側へ偏位していた。 以上の結果から,c波の発生には錐体も関与し,記録条件によって錐体性c波を分離することが可能であり,c波の観察を介して錐体機能の検索が可能であることを示した。
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