研究課題/領域番号 |
01570983
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
高橋 広 産業医科大学, 医学部, 講師 (00129511)
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研究分担者 |
宮田 博 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (60174190)
古川 博 産業医科大学, 医学部, 講師 (80131936)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 網膜 / 神経節細胞 / 稀突起膠細胞 / ミエリン / 組織培養 |
研究概要 |
本研究で用いた細胞分離法は1)密度勾配遠心法、2)Panning法、3)Filter Paper法などであるが、網膜神経節細胞をこれらの方法にて分離し、各々の分離法の特徴を明らかにした。網膜での細胞分化が十分でないと、密度勾配遠心法は応用できないので、胎生20日以降の網膜を用いた。Percollの非直線状密度勾配法が一番有用で、分画I〜IIIに分離でき、分画Iには大型網膜神経細胞で網膜神経節細胞と考えれ、分画IIには中型網膜神経細胞で、分画IIIは小型網膜神経細胞で主に視細胞であった。大型や中型細胞は数日間確認できたが、小型細胞は維持できず、Muller細胞のみとなったが、その後はどの分画でもMuller細胞がまだ多く混入してきた。したがって網膜神経節細胞の純度はなお低くかった。ついで、Panning法、すなわちantiーthy1を用いた抗原抗体反応で網膜神経節細胞を得る方法である。しかしPanningを重ねる毎に細胞数が減少し、細胞数の収納は極めて悪い。したがって電気生理学的研究などための方法としては有用であるが、本研究の目的にはそぐわないず、かつ高価格で経済的にも問題があった。そして、ShiosakaらのFilter Paperで網膜の各々の層ごとに採取する方法も検討したが、細胞の採取率が悪かった。このように網膜神経節細胞の分離培養は密度勾配遠心法では細胞純度に、Panning法では得られる細胞数に問題があることが明らかになった。ミエリン形成に関しては網膜組織片と稀突起膠細胞のcoーcultureを行い検討したが神経突起と稀突起膠細胞が絡み合っているように培養され、神経突起の成長には稀突起膠細胞が何らかの役割を果たしていることが示唆された。しかし銀染色や抗ミエリン抗体などの免疫組織化学染色や電子顕微鏡観察を行なっているが、現段階では未だミエリンの形成を確認できなかった。
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