研究課題/領域番号 |
01570997
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
加藤 哲男 東京歯科大学, 歯学部・微生物 助手 (00159253)
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研究分担者 |
内藤 祐子 東京歯科大学, 歯学部・微生物, 講師 (00147258)
奥田 克爾 東京歯科大学, 歯学部・微生物, 教授 (40085741)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 歯周病原性菌 / 内毒素 / リピドA / モノクロ-ナル抗体 / 抗イディオタイプ抗体 / 多クロ-ン性B細胞活性化能 / Eikenella corrodens / 歯周病 / Fusobacterium nucleatum / マイトジェン活性 |
研究概要 |
歯周病原性菌の内毒素であるlipopolysaccharide(LPS)の抗原構造及び生物活性を検討する目的でモノクロ-ナル抗体を調製した。<Fusobacterium nucleatum>___ーならびに<Eikenella corrodens>___ー菌体から温フェノ-ル・水法によって抽出したLPSを免疫原として用い、マウスモノクロ-ナル抗体を選択して得た。<E.corrodens>___ーLPSと<F. nucleatum>___ーLPSとに交差反応性を示し、コア多糖部にあるエピト-プに特異性のある抗体、<E.corrodens>___ーLPSのOー抗原多糖部にあるエピト-プと反応している抗体、<E.corrodens>___ーのLPSやリピドAのほかの口腔細菌のLPSとも交差反応性を示した抗体が得られた。<E.corrodens>___ーLPSのOー抗原多糖部にあるエピト-プと反応している抗体は、その反応性から<Fusobacterium necrophorum>___ーLPSと<Capnocytophaga ochracea>___ーLPSのコア多糖部にあるエピト-プとも交差反応することがわかった。<E.corrodens>___ーリピドAと反応した4種の抗体は、<Escherichia coli>___ーや<Salmonella minnesota>___ーのrough型LPS及びリピドAとも反応した。これらの事実から、<E.corrodens>___ーのリピドAにも腸内細菌のリピドAと共通のエピト-プが存在することが解った。<E.corrodens>___ーLPSおよび<F.nucleatum>___ーLPSは、多クロ-ン性B細胞活性化能を有しており、特に<E.corrodens>___ーLPSの有するこの活性は、<E.coli>___ーに匹敵するほど強いものだった。またこの活性は、ELISAで反応性の見られたモノクロ-ナル抗体によって不完全ながら抑制することが解った。 リピドAと反応するモノクロ-ナル抗体に対しては抗イディオタイプ抗体を作製し、その抗体の内毒素ワクチンとしての可能性を検討した。<E.corrodens>___ーリピドAに反応するモノクロ-ナル抗体で、BALB/cマウスを免疫し、モノクロ-ナル抗イディオタイプ抗体を作製した。4種の抗イディオタイプ抗体が得られ、isotypeは、IgG1とIgG3がそれぞれ1種、IgG2aが2種であった。IgG1抗イディオタイプ抗体は、阻害実験などの結果から、リピドAの内的イメ-ジを反映しているAb2β型の抗イディオタイプ抗体であることがわかった。次に、この抗イディオタイプ抗体で免疫されたマウスが、LPSのもつ致死活性を防御できるかどうか検討した。その結果、この抗イディオタイプ抗体は、マウス血清中にリピドAに対する抗体価を上昇させただけではなく、LPSの有する致死活性から防御する抗体を産生させることができた。
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