研究課題/領域番号 |
01570998
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
下野 正基 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (00085771)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 再生歯周組織 / 上皮性付着 / 結合織性付着 / ラミニン / フィブロネクチン / 基底板 / 半接着斑 |
研究概要 |
再生歯周組織の歯根表面に対する付着のメカニズムを解明するために、酵素抗体法(PAP法)および電子顕微鏡を用いて検索した。ラット上顎第1および第2臼歯の間にゴムを挿入することによって実験的歯周炎を形成した。1週後にゴムを除去し、経時的に歯周組織の治癒過程を観察した。上皮性付着に関しては、ゴム除去後1〜3週目までは主としてポケット上皮が第1および第2臼歯の歯根表面に形成されていたが、4週目より高い頻度で長い付着上皮の形成が観察された。この長い付着上皮の内側基底板および外側基底板に相当する部には抗ラミニン抗体に対し、陽性反応を示す物質が存在していた。電子顕微鏡による観察でも、セメント質表面と長い付着上皮の間には基底板と半接着斑が明瞭にみとめられた。このことから、長い付着上皮は歯根表面および基底板を介して接着していること、上皮性付着は接着性糖蛋白であるラミニンの分布と密接な関連のあることが示唆された。一方、結合織性付着の部では歯根表面および線維芽細胞間、コラ-ゲン線維間の基質に相当する部位にびまん性に抗フィブロネクチン抗体に対して陽性を示す物質がみとめられた。今回の観察では明らかなセメント質および歯槽骨の新生を示す所見は観察されなかった。しかし、ゴム除去後時間の経過に伴って、上皮性付着が結合織性付着によって置換される範囲が多くみられた。以上の結果から、結合織性付着は接着性糖蛋白であるフイブロネクチンの分布と関連があると考察した。さらに、上皮性付着または結合織性付着を決定する因子は歯根表面におけるラミニンとフィブロネクチンの分布密度と関係があること、および上皮性付着は結合織性付着によって置き換わる可能性のあることが示唆された。
|