研究課題/領域番号 |
01570999
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
池田 正 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (10050006)
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研究分担者 |
高田 和子 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20120496)
平澤 正知 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60095453)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 齲触免疫 / 齲触の被動免疫 / S.mutansの免疫 / SAI / II抗原 / 抗SAI / II抗体 / 齲蝕免疫 / 齲蝕の被動免疫 / S.mutans抗原 / 表層タンパク抗原 / 齲蝕の受動免疫 |
研究概要 |
1.S.mutans表層抗原I/IIの精製と抗原性: S.mutans PSー14株(血精型C)の培養上清を硫安沈殿、カラムクロマトグラフィ-に等により表層蛋白質(SAI/II)抗原を精製し、さらに尿素およびグアニジン塩酸溶液により可溶化・低分子化し得た。この抗原は複数の低分子蛋白を含む、100kDaと50kDaを主とする蛋白質であった。低分子蛋白質もイムノブロット法により抗SAI/II抗体と反応した。 S.mutans群(血清型a、c〜h)、S.sanguis、S.salivarius、S.mitiorの各菌種には、SAI/II抗体と反応する抗原が存在した。 2.抗SAI/II抗体のヒドロキシアパタイトへの菌体付着等におよぼす影響: 抗体IgG画分で処理した菌体は、ヒドロキシアパタイトディスク(HA)への付着が、粗標品抗体で87%、SAI/II抗体で73%、SA100kDa抗体で70%、SA50kDa抗体で95%抑制された。HAの抗体処理ではその効果が顕著でなく、精製標品抗体で、21%、SAI/II抗体で11%の抑制率であった。なお、SAI/II抗体による菌の発育、人工歯垢形成、乳酸生成、GTase活性等の阻害は認められなかった 3.ラット実験齲触の抑制: SPF SDラットにS.mutans PSー14(c)を感染させ、6%に抗SAI/II家兎血清(凍結乾燥標品)を添加した飼料で飼育した群は、6%正常血清(同)を添加した群と比較して、47.7%の齲触抑制率を認め、その差は有意(P〈0.05)であった。 4.ヒト口腔内験齲触(ICT)の予防: 両側にあらかじめ硬度を測定したエナメル小片をセットしたICT装置を口腔内で使用させ、その間、口腔外で1日3回、両エナメル部を蔗糖液、次で抗体液(対照側は正常血清)に浸漬、口腔内にもどし、2週間後、硬度を再測定した。実験前後の硬度差は対照側が200±3.9実験側が242±4.9で、抗体処理によるエナメル質の有意(α=0.05)な脱灰抑制が認められた。
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