研究課題/領域番号 |
01571000
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
牛山 順司 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (40120620)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 象牙芽細胞 / 象牙質知覚 / 色素結合 / ギャップ結合 |
研究概要 |
象牙芽細胞は隣接した象牙芽細胞と多数のgap junctionで結合していることが、最近の形態学的研究で、明らかとなった。一般にgap junctionはcell-to-cell communicationの通路として知られているが、歯髄に於ける、これらの機能は、未だ何も判っていない。この研究では、歯髄細胞間のcell-to-cell communicationの度合いを知るため、蛍光色素(Lucifer yellow:分子量=457.2;dextran-lucifer yellow:分子量=約10,000)を細胞内に導入し、これらの色素が、実際に隣接細胞に移動するか、どうかを蛍光顕微鏡下で調べた。1.猫の犬歯から作成したスライス標本の歯髄細胞は、krabs液で灌流することで、生体外で長時間生かしておくことができ、微小電極により約-60mVに達する静止電位が容易に記録できた。2.微小電極で蛍光色素を細胞内に泳動した後、スライス標本をホルマリン固定し、脱灰、脱水し、さらに透明または連続切片標本とし検鏡した。dextran-lucifer yellowで単一細胞が強く染まったのに反し、lucifer yellowは隣接した多くの象牙芽細胞も染まった。3.麻酔した猫の犬歯に窩洞を作り、ここより色素を象牙芽細胞突起を通じて細胞内に泳動した後、スライス標本を作り、上記のごとく検鏡した。上記1.と同じく、象牙芽細胞間に極めて効果的なcell communicationが認められた。4.象牙芽細胞間のcell communicationは、象牙質の形成、保持、修復に関与しているものと思われる。また、象牙質知覚にも深い関わりを持つものと思われる。即ち、動水説においては水の動きにたいし緩衝作用を持ち、象牙芽細胞説では感覚電位の拡散の役割を演ずるものと考えられる。
|