研究課題/領域番号 |
01571016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
浅田 彬 大阪大学, 歯学部, 講師 (50028734)
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研究分担者 |
滝川 正春 大阪大学, 歯学部, 講師 (20112063)
鈴木 不二男 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 軟骨細胞 / 副甲状腺ホルモン / 受容体 / 培養細胞 / 樹立細胞株 / 細胞分化 / 成長因子 / 分化修飾因子 / インスリン様成長因子 / ビタミンA |
研究概要 |
1)軟骨細胞に副甲状腺ホルモン(PTH)受容体が存在することを世界ではじめて証明することに成功した。すなわち、 ^<125>Iでラベルした〔Nle^<8.18>,Tyr^<34>〕ウシPTH(1ー34)アミドを調製しウサギ肋軟骨成長軟骨初代培養細胞に対する結合実験を行ったところ、Kd値が0.6ー0.9nMの特異的結合がみられ、その数は約4ー9万個/細胞であった。また、 ^<125>I標識PTHと軟骨細胞の受容体をクロスリンクし、電気泳動後オ-トラジオグラフィ-を行うことにより受容体の分子量は72Kダルトンであることが判明した。さらに静止軟骨細胞にもKd値の同じPTH受容体が存在したがその数は成長軟骨細胞に比し少ないこと、継代2代目の細胞にも数は少ないものの受容体が存在することが判明した。 2)ウサギ初代助軟骨培養細胞をレチノイン酸、線維芽細胞成長因子、上皮成長因子で処置すると軟骨細胞の分化機能の指標であるプロテオグリカン合成が低下するが、それとともにPTH受容体数が減少した。一方、インスリン様成長因子、トランスフォ-ミング成長因子β、ジブチリルcAMPで処置すると軟骨細胞のプロテオグリカン合成は亢進するが、それとともにPTH受容体数は増加することが判明した。また、上記の種々の分化修飾因子によるPTH受容体数の変化はPTHのcAMPレベル上昇作用と連動していた。なお、いずれの因子で処置してもレセプタ-の親和性に変化は見られなかった。 3)マウス肋軟骨成長軟骨細胞培養系からPTH応答性を有する三種のクロ-ン化細胞株を樹立するのに成功した。なかでもMGC/T1.18と名づけた細胞は、PTHにより細胞内cAMPレベルが約200倍に上昇し、この応答性は継代50代を経ても維持されていた。なお、PTHによるMGC/T.18細胞のcAMPレベルの上昇はウサギ肋軟骨初代培養細胞におけるcAMPレベルの上昇の4ー10倍に相当した。すなわち、PTH受容体の研究にきわめて有用な細胞株が樹立できた。
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