研究課題/領域番号 |
01571017
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高田 春比古 大阪大学, 歯学部, 講師 (30135743)
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研究分担者 |
三原 丞二 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (20219710)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 線維芽細胞 / Bacteroides / リポ多糖 / サイトカインネットワ-ク / インタ-ロイキンー1 / インタ-ロイキンー6 / 腫瘍壊死因子 / インタ-フェロン |
研究概要 |
ヒト歯肉由来の線維芽細胞のin vitro培養系に、口腔Bacteroides属のリポ多糖(LPS)や種々のサイトカインを作用させ、胸腺細胞刺激因子(TAF)誘導の条件ならびに活性本体について検討し、次のような結果を得た。1.供試した5菌種のBacteroides属のLPSは、腸内細菌科等のLPSとは異なり、線維芽細胞培養の上清(CF)および細胞(CA)画分に明確なTAF活性を誘導した。各種抗血清を用いて活性中和試験を行ったところ、CFーTAF活性は主としてインタ-ロイキン(IL)ー1βにより担われており、ILー6がその活性を増強しているのに対し、CAーTAFの本体は、ILー1αであることが証明された。2.腫瘍壊死因子(TNF)は、それ自体で線維芽細胞にCAーTAFを誘導した。また、TNFで線維芽細胞をプライミング後にLPSで刺激すると、LPSのCAーTAF誘導能が増強された。3.インタ-フェロン(IFN)ーα、β、およびγはいずれも、それ自体ではTAFを誘導しなかったが、IFNーβあるいはINFーγで線維芽細胞を前処置すると、同細胞のLPSに対する応答性が高まり、CAーTAF産生の著しい増強が認められた。4.抗IFNーβ抗血清の存在下で線維芽細胞をLPSで刺激してもCAーTAFは誘導されなかったことより、LPSのCAーTAF誘導活性は線維芽細胞の産生するIFNーβに依存していることが示唆された。一方、TNFによるCAーTAF誘導には内在性INFーβは介在していないことが示唆された。 以上の所見より、局在炎症病巣における線維芽細胞を廻るサイトカインネットワ-クの一端が解明され、線維芽細胞も、マクロファ-ジ等と同様に炎症・免疫反応の場では、エフェクタ-細胞として重要な役割を果たしている可能性が示された。
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