研究課題/領域番号 |
01571019
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
土肥 敏博 (土肥 俊博) 広島大学, 歯学部, 教授 (00034182)
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研究分担者 |
辻本 明 広島大学, 歯学部, 教授 (90034181)
森田 克也 広島大学, 歯学部, 助手 (10116684)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 血小板活性化因子 / PAF / カテコールアミン / アセチルコリン / アセチルトランスフェラーゼ / カルシウム / 副腎髄質 / Plateletーactivating factor / 副腎クロマフィン細胞 / 顎下腺腺房細胞 / アセチルトランスフェラ-ゼ / コリンホスホトランスフェラ-ゼ / Platelet-activating factor |
研究概要 |
神経組織におけるPAFの動態、機能的役割、病態生理における関わりについて最近特に注目されている。しかしこれらの諸点は十分明らかでない。本研究は副腎髄質クロマフィン細胞での刺激-分泌連関とその調節機構におけるPAFの役割について検討し、以下の詰点を明らかにした。 1.副腎髄質からのカテコールアミン(CA)分泌はAChのニチコン様受容体及びムスカリン様受容体を介して促進される。前者は外液Ca^<2+>流入に依存し、後者には電位依存性カルシウムチャンネルを介さないCa^<2+>流入並びにPhosphatidylinositol代謝回転を介した細胞内貯蔵部位からCa^<2+>の動員、それによる細胞内遊離Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)の上昇が関与することが示唆された。一方cAMPは脱分極をひきおこした。 2.副腎髄質にはPAF合成能が存在し、PAF合成はremodeling系を介して行われる。活性は唾液腺に比べて著しく低いものであった。 3.培養クロマフィン細胞においてPAFは軽度CA遊離をひきおこした。高濃度K及びveratridineによるCA遊離を増強した。 4.PAFは[Ca^<2+>]iを持続的に上昇させた。細胞外液のCa^<2+>除去は[Ca^<2+>]i上昇を減少させ、Ca拮抗薬は一部PAFの作用を抑制した。 5.PAFは副腎髄質細胞膜Na^+,K^+-ATPase活性を阻害した。 6.PAFのCA遊離作用、[Ca^<2+>]i上昇作用は細胞外Na^+に依存していた。 7.イヌ潅流副腎においてPAF(1-100nM)はAchおよび高濃度KClによるCA遊離を増強した。このPAFの作用はPAF受容体拮抗薬により抑制された。又lyso-PAFには作用は認めなかった。 8.PAFは浮遊クロマフィン細胞においてACh及び高濃度KClによる[Ca^<2+>]i上昇を増強した。 以上、副腎髄質クロマフィン細胞において神経伝達物質の刺激一分泌連関に関与することが明らかにされた。今後PAFの生理的意義或いは病態生理との関係が明らかにされるべき重要な課題である。
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