研究概要 |
本年度は,昨年度に開発したレ-ザ式3次元計測装置の計測精度を評価し,さらに咬合面形状デ-タを表示・分析するシステムを開発した。(1)計測精度の評価レ-ザ式形状計測装置の測定精度は,(1)レ-ザビ-ムの径,(2)光スポット以外からの反射光,(3)被測定面の光の反射特性,(4)被測定面の色,の4つに影響されることが知られている.従って,測定誤差は,被測定面の材質ばかりでなく,その形状によっても変化するものと考えられる.そこで,特に関係すると考えられる面の曲率と法線方向と測定誤差との関係について調べた.実験には,ボ-ルベアリング(半径:3.1,1.5mm)を精密印象して作成した石膏球を試料とした.各デ-タ点の誤差は,頂上付近の計測デ-タ-から推定した中心からその点はでの距離と既知の半径との差で定量化した.その結果,ビ-ムと法線方向のなす角度が50度以下では10μmであり,それ以外の影響は認められなかった.(2)表示・分析システムシステムのハ-ドウェアは,ミニコンピュ-タ・システム(MX/5600,三菱電機)とコンピュ-タグラフィック・システム(Mー1000,グラフィカ)からなる.システムは,(1)デ-タ管理システム,(2)デ-タ管理システム,(3)分析システム,(4)表示システム,の4つのサブシステムからなる.デ-タ管理システムは,計測装置からのデ-タ転送,形状および患者デ-タの管理を行う.デ-タ処理システムは,欠落デ-タの補間,不要デ-タの削除などを行う.分析システムは,対合する咬合面間の距離(離開量)の計測を行う.表示システムは,形状デ-タや分析デ-タの3次元表示を行う.表示法には3次元ワイアフレ-ム表示,2次元疑似カラ-表示,断面外形表示,離開量の3次元表示などがある.
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