研究課題/領域番号 |
01571101
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
桜田 重世 昭和大学, 歯学部, 講師 (00112730)
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研究分担者 |
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
西村 明之 昭和大学, 歯学部, 助手 (50150652)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 腫瘍株細胞 / 抗腫瘍剤 / ス-パ-オキサイドディスムタ-ゼ / カタラ-ゼ / ス-パ-オキサイド / ブレオマイシン / superoxide dismutase / 口腔悪性腫瘍 / 口腔癌由来株細胞 |
研究概要 |
活性酸素の消去酵素であるsuperoxide dismutase(SOD)およびカタラ-ゼは種々の組織に存在し、活性酸素の毒性から組織を保護していると考えられている。近年、bleomycin(BLM)やantracyclinなどある種の抗腫瘍剤は、細胞の活性酸素産生を増強する事により抗腫瘍効果を示す事が報告されている。そこでわれわれは抗腫瘍剤は腫瘍細胞の活性酸素産生に及ぼす影響およびそのメカニズムについても検討を行った。 腫瘍細胞は、当教室で樹立し継代維持している口腔扁平上皮癌由来のNA細胞およびHeLa S3細胞を用いた。用いた抗腫瘍剤はBLM、mitomycin C、cisplatinおよび5ーfluorouracilで、これらの抗腫瘍剤を添加するといずれもSOD活性の上昇がみられた。一方、カタラ-ゼ活性については上昇はみられず、むしろ減少する傾向を示した。次にBLMをNA細胞に添加し、濃度による影響を観察した。その結果、6時間のincubationでは細胞障害性を示さない30μg/ml以下の濃度では、濃度依存性にSOD活性の上昇がみられた。次に2μg/mlのBLMを用いてSODの経時的変化について検討を行ったところ、6時間まではSOD活性は経時的に上昇し、それ以後は徐々に減少する傾向がみられた。これらの結果より、抗腫瘍剤により培養細胞のSOD活性が上昇する事が明らかになった。そこで、抗腫瘍剤によるSOD活性の上昇が細胞の代謝に関与するか否かについて検討を行った。すなわち、NA細胞にNaFおよびKCNを添加し、さらにBLMを加えた。その結果、KCNを添加するとSOD活性の上昇はみられず、NaFを添加するとBLMのSOD上昇効果を促進する傾向がみられた。また、NaF単独でも腫瘍細胞のSOD活性は若干上昇した。以上の結果より、抗腫瘍剤によるSOD活性の上昇は、細胞の代謝が阻害され、おそらく細胞内のSOD代謝における排泄あるいは不活化が阻害される事になるのではないかと考えられた。
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