研究課題/領域番号 |
01571102
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
金本 恵子 (1990) 昭和大学, 歯学部, 助手 (30177547)
吉屋 誠 (1989) 昭和大学, 歯学部, 講師 (00119281)
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研究分担者 |
佐藤 篤 昭和大学, 歯学部, 助手 (30192090)
吉屋 誠 昭和大学, 歯学部, 兼任講師
金本 恵子 昭和大学, 歯学部, 助手 (30177547)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 舌扁平上皮癌 / ファイブロネクチン / 腫瘍分化度 / 癌転移 / 舌癌由来細胞株 / 酵素抗体法 / ELISA法 |
研究概要 |
舌癌は口腔癌の中で転移し易く、その異型度が高度になると基底膜のファイブロネクチン活性が減少するといわれている。また、癌の転移には癌細胞の増植、浸潤、血管壁への付着など多くの段階があり、ファイブロネクチンは癌細胞の移動、血管、リンパ管壁への接着など転移成立の過程に関与している可能性が示唆されている。 まず、初年度はその基礎的研究として、我々が樹立した舌扁平上皮癌由来細胞株(NA cell)を用いて、ファイブロネクチンの局在と産生を検討した。そこでゼラチンカラムで可及的にファイブロネクチンを吸収させた血清でNA cellを培養し、モノクロナ-ル抗体によるアビジン・ビオチン免疫ペルオキシダ-ゼ(ABC)法で染色したところ、細胞表面および核周囲の細胞質にファイブロネクチンが強く染まる細胞が認められた。次に、培養液中に産生放出されるファイブロネクチンの量を経時的にサンプリングしてELISA法で測定したところ、培養1日目では0.5μg/ml、3日目で1.0μg/ml、5日目では1.5μg/mlを示した。その濃度は増殖定常期の8日目頃から急に上昇し、12日目で11.7μg/mlになり、ファイブロネクチンが本細胞から産生されていることが示された。 さらに最終年度は、ファイブロネクチンが舌癌において腫瘍悪性度マ-カ-になるか否かを検討するために、原発巣5例とリンパ節転移巣2例におけるファイブロネクチンの局在をABC法で観察し、腫瘍の分化度と比較検討した。その結果。高分化型扁平上皮癌の2例では、腫瘍細胞の一部と間質にファイブロネクチンの局在が認められた。しかし低分化型の3例では、腫瘍細胞はほとんど染色されず間質にファイブロネクチンの局在が見られたが、死の転帰をとった1例に関しては間質の一部が染色されただけであった。一方、死の転帰をとったリンパ節転移巣の2例では、基底膜および間質の染色性も微弱であった。
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