研究課題/領域番号 |
01571104
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
内田 安信 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074487)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 局所ハイパ-サ-ミア / レ-ザ-サ-ミア / Nd-YAGレ-ザ- / 基礎的研究 |
研究概要 |
Nd-YAGレ-ザ-による局所ハイパ-サ-ミア(レ-ザ-サ-ミア)は、これまで組織内照射や組織内温度測定といった侵襲を伴うものであった。本研究課題はレ-ザ-の非接触照射と組織温度管理により、手技上の侵襲を排除したレ-ザ-サ-ミアを可能ならしめるための基礎的研究である。家兎の舌背に対し、出力2W、スポット径4mmのNd-YAGレ-ザ-を照射、同時にスポット中心の表面温度を放射温度計により連続測定し、この温度デ-タをレ-ザ-発振部にフィ-ドバックして43、47、51℃の一定温度を維持した。以上3群のレ-ザ-サ-ミアは1回20分、週2回の間隔で施行し、各段階での組織変化を病理組織学的に検討した。なお赤外線照射(光源:ハロゲンランプ)と温水浴を比較対照とした。レ-ザ-サ-ミア、赤外線、温水のいずれにおいても、43℃では組織学的に何ら変化を見なかった。レ-ザ-サ-ミアの47℃では一回の施行で舌体の浮腫と舌下面の水疱形成が見られ、回数を増すに従い舌背に潰瘍形成が見られるようになり、51℃ではこれらの変化がより程度の強いものとなり、数回の施行で舌体は広範な壊死に陥った。赤外線の47、51℃では、レ-ザ-サ-ミアの組織変化と基本的に同一ではあるものの、明らかに狭い範囲に限局した程度の弱い変化であった。温水浴では47℃でも目立った組織変化が見られなかったが、51℃ではレ-ザ-サ-ミアと同程度の変化を生じ、加温方法の違いによる特異性が見られた。以上より、Nd-YAGレ-ザ-の非接触照射は、口腔のような狭小で複雑な解剖学的特徴を有する領域において、特定部位を選択的に加温する有効な手段であることを確認し、また本研究での温度管理方法に加温組織変化の再現性を確認、完全な非侵襲的手技によるレ-ザ-サ-ミアの可能性が有力となった。
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