研究分担者 |
鮎瀬 節子 昭和大学, 歯学部, 助手 (40175683)
柴田 恭典 昭和大学, 歯学部, 講師 (50138400)
柴崎 好伸 昭和大学, 歯学部, 教授 (40014005)
福原 達郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (50013834)
清水畑 明 昭和大学, 歯学部, 助手 (50187473)
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研究概要 |
従来より,顎骨の成長発育には筋機能が重要な働きをしており,筋機能の不全などは顎顔面骨の成長発育を抑制すると考えられている。従って,筋機能と顎発育の関連を研究する事は顎発育の伴う種々の咬合異常を取り扱う歯科矯正学においては意義深い研究分野と考えられる。このことに関連した従来の研究では,筋機能の人為的発現により生じる顎骨の変化に対する観察は,X線や組織切片を用いた定量学的検討がなされているものの,トリッガ-となる筋機能については,顎骨に加える筋機能力=ストレス(力の量・力の加重法など)に対する充分な検討がされていない。 Millerらは,筋機能と顎発育に関連して,筋収縮の結果として骨に加えられるストレスの骨形成への影響は大であると報告している。この骨へのストレスを生み出す主たる因子は筋力であり,筋力を規定する因子は,大脳の興奮水準、筋線維断面積,筋線維数ならびに筋線維タイプである。中でも,筋線維タイプは遺伝により決定されていると考えられており,その経年的ならびに環境要因による変化を観察することは顎骨の成長発育に対する『遺伝因子』と『環境因子』の相互関係を調べるためにも有用であると思われる。 そこで本研究は,顎骨に加える筋機能力のトリッガ-として,独自に作成した硬・軟飼料をラットに咀嚼させることを計画した。これをもとに,ラットの咀嚼筋線維タイプ(咬筋,側頭筋)と顎発育(下顎骨)の変化を組織生化学的(酵素組織学的方法)ならびに下顎骨のX線学的手法により検討した。 結論:1.独自に作製した硬軟飼料での飼育により,下顎骨の高さの成長が抑制され,筋線維の萎縮,筋線維タイプ別面積率の変化,等が観察された。2.下顎骨の高さの成長が十分に行えなかった時期と,咬筋,側頭筋が強く影響を受けた時期が一致してた。
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