研究概要 |
アザステロイド関連化合物の合成とその抗うつ作用の研究の一環として,11,13,15ートリアザステロイド(1)をlead化合物に用い,先ずそのB環を環拡大し,D環に種々のalkyl基を有するBーホモー11,13,15ートリアザステロイド(2)を合成した。続いて化合物1のB,D環を同時にホモ化し,D環に種々のalkyl基を有するB,Dージホモー11,13,15ートリアザステロイド(3)を合成した。次いで4位に種々のalkylamino基を有する benzo[6,7]cyclohepta[1,2ーd]pyrimidine誘導体(4)(Dーセコアザステロイドに相当)を合成し,更に,D環をimidazole環からtriazole環に変えた,11,13,15,17ーテトラアザステロイド(5,n=1)及びそのBーホモ体(5,n=2)を合成した。又,化合物5の17位の窒素をoxide化した,11,13,15,17ーテトラアザステロイドー17オキシド(6)を合成した。続いて,上記の化合物及びそれらの前駆体について,抗うつ活性の一次スクリ-ニングとしてantireserpine活性の有無を調べたところ,化合物2及びその前駆体に於いては,三環性のbenzo[6,7]cyclohepta[1,2ーd]pyrimidine誘導体にのみ活性が認められた。次いで,化合物3に於いては,四環性のもののみならずその前駆体に於いても活性は認められなかった。化合物4,4位に結合している窒素原子と末端の酸素原子の間に炭素原子2個を有し,且つ,枝分かれした側鎖を持つ化合物にのみ活性が認められた。化合物5に於いては,置換基を有しない11,13,15,17ーテトラアザステロイドがB環の大きさに関わらずantireserpine活性を示した。化合物6に於いては,antireserpine活性を示すものはなく活性を減ずるのみであった。
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