研究概要 |
本研究では我々がこれ迄に開発してきた特異的蛍光試薬を活用して、数種の生理活性アミンの特異的で高感度な迅速定量法を確立することに成立した。 1.ポリアミンの選択的蛍光試薬である1,2ーdibenzoylー1,4ーdihydrobenzene(DBDB)をプレラベル化試薬として用いるプトレッシンのHPLC法を確立し、この方法を利用してアイソト-プを必要としないオルニチン脱炭酸酵素活性の簡易で高感度な測定法を導くことに成功した。 2.ヒスタミンの特異的蛍光試薬として開発した4ーbromoー1,2ーbenzenedicarbaldehyde(BBDA)を用い胃粘膜や肝臓などの組識中のヒスタミン簡易定量法(用手法)を確立した。更に、BBDAをフロ-インジェクション分析法(FIA法)に適用し、1時間当り40サンブルの連続分析が可能で、検出限界(S/N=5)を0.5pmol/injectionとするヒスタミンの高感度・高速分析法を開発することに成功した。また、ヒスタミンの高感度蛍光試薬である2ーacetybenzaldehyde(ABA)をプレラベル化試薬として利用するHPLC法も開発した。 3.同様にABAは、反応条件を適切に選択することにより、血液および組識中グルタチオンの特異的な簡易蛍光定量法(用手法)や高速で高感度なFIA法にも応用できることが示された。 4.アルギ二ンの特異的蛍光試薬として開発した2,3ーnaphtalenedicarbaldehvde(NA)をFIA法に利用し、アルギニンの高速・高感度分析法を確立した。また、2,5ーdimethoxytetrahydrofuran(DMTHF)がトリプトファンの特異的蛍光試薬として利用できることを見いだし、アミノ酸混合物中のトリプトファンの簡易定量に応用できることを示した。
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