研究課題/領域番号 |
01571186
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
町田 良治 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (00061292)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | キトサン / キチン / 小球体 / フルオロウラシル / 徐放化 / 油中乾燥法 / リゾチ-ム |
研究概要 |
1.キトサント小球体の調製法:カニ殻由来のキチンを約63%または55%脱アセチル化して製したキトサンを用い、それぞれ1.5%または5%の希酢酸溶液とした。モデル薬物としてフルオロウラシル(5FU)を配合したのち、攪拌下でナタネ油中に滴下し減圧乾燥して小球体を得た。フラスコ上部より懸垂させて用いる自作のスタ-ラ-使用により、90%以上の高収率で小球体を得ることが可能になった。 2.粒子径と薬物含量:アルカリ処理後乾燥した小球体は良好な球状を呈し、その粒径は滴下する溶液のキトサン濃度、粘度、攪拌条件により若干の制御が可能だった。薬物含量は必ずしも仕込量に比例せず、むしろ粒径に左右され、同一仕込量では粒径が大きい程高含量であった。主薬の分配係数によっても異なると考えられるが、5FUではキトサン量の10%から30%の添加で12/30メッシュの小球体1g中に40〜50mgの5FUが見出された。また実体顕微鏡と電子顕微鏡による観察で主薬が小球体表面に析出する現象も認められた。 3.主薬の放出製:日局第2液100mlを試験液とし、小球体10mgを用いて放出試験を行った。アルカリ処理したのみでは30分以内に放出が完了した。腹腔内での持続的な薬物放出により腹腔内での制癌効果を期待するために、徐放化を図った。まず無水酢酸を用いて表面を再アセチル化し、放出を抑制することを試みた。赤外線吸収スペクトルの変化から、主薬が影響を受けない条件でもアセチル化は進行し、放出も抑制されることが確認された。次にキトサン小球体調製時にキチン粉末を添加して粒子表面にキチン層を構成することを試みた。乾燥の進行しない段階で添加した場合には徐放化に利用できることが判明した。試験液にリゾチ-ムを生理的濃度で添加すると顕微鏡下では分解は明らかではなかったが、放出がさらに長時間持続する傾向が認められた。
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