研究課題/領域番号 |
01571195
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
畝本 力 千葉大学, 薬学部, 教授 (30089601)
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研究分担者 |
林 万喜 千葉大学, 薬学部, 助教授 (50092086)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | メナジオン / NADHーguinone reductase / 誘導 / DTーdiaphorase / キノン毒性 / 酸素ストレス / キノン代謝 / 大腸菌 / 毒性 / NADH-quinone reductase / DT-diaphorase / キノン / 活性酵素 / 一電子還元 / 二電子還元 |
研究概要 |
2年間の研究を通じて得られた研究成果は次の通りである。 1.大腸菌を0.2ー0.3mMの2ーmethylnaphthoquinone(メナジオン)存在下に増殖させると、はじめ増殖は阻害されるが、3ー6時間後に増殖が回復する。この細胞をフレンチプレスで破壊し、細胞質分画の酵素を調べたところ、FMN依存のNADHーキノン還元酵素(NQR)が約20倍に誘導合成されている事を見いだした。 2.メナジオン処理によって同時にsuperoxide dismutase(SOD)も誘導される。一方、パラコ-ト0.15mMで処理した場合、SODは誘導されるが、FMN依存のNQRは全く誘導されず、本酵素の誘導はメナジオンに特異的であった。 3.メナジオンで誘導される酵素をDEAEーSephacel,DEAEー5PW,HACー5CPで精製し、比活性3205units/mgproteinの酵素標品を得た。 4.本酵素はSDS電気泳動で分子量24KDaの単一蛋白質であり、活性型は同一サブユニットの2量体である。 5.本酵素はNADH特異的であり、反応にはFMN(半飽和濃度0.54μM)を要求する。 6.キノン化合物に対する基質特異性は動物細胞から分離・精製されているNAD(P)Hーquinone oxidoreductase(DTーdiaphorase)とほぼ一致する。 7.反応機構はピンポン型で、NADHおよびメナジオンに対する真のKmは132μMおよび1.96μMである。 8.ジクマロ-ルはNADHに対して強力な拮抗阻害を示し、Kiは0.22μMである。 9.キノン還元様式は2電子還元反応によってキノ-ルを生成する。 10.本酵素の基質となるキノン誘導体は必ずしも酵素誘導能を示さず、すでに調査した誘導体の中では、キノン構造の2位にアルキル基、3位に置換基の無い化合物のみが酵素誘導能を示した。 11.動物細胞においてDTーdiaphodase誘導能があるとされる化合物は必ずしも大腸菌のFMN依存NQRの誘導基質として作用しない。
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