研究課題/領域番号 |
01571204
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 正知 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80190297)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | (H^++K^+)ーATPase / 胃酸分泌 / ヒトゲノム / 遺伝子 / 転写調節 / ATPア-ゼ / プロトン輸送 |
研究概要 |
代表者が既に得ていたブタ(H^++K^+)ーATPaseのcDNAクロ-ンを用いて、ヒト及びラット(H^++K^+)ーATPaseの遺伝子を分離した。胃粘膜壁細胞に特異的に発現している蛋白質の遺伝子を分離したのは、本研究が世界で初めてである。ヒトの遺伝子の全塩基配列(15kb)を決定したところ、酵素は1,035アミノ酸残基からなっており、ラットやブタの酵素と98%のアミノ酸残基が一致していた。コ-ド領域は、22個のイントロンで分断されていた。ラットの遺伝子についても、決定した領域ではすべてイントロンの挿入位置(イントロン1、2、6及び9)が保存されていた。(Na^++K^+)ーATPaseと(H^++K^+)ーATPaseではアミノ酸残基が60%も一致し、しかもギャップを挿入することなしに配列を並べることができる。また、遺伝子構造の明らかになっている(Na^++K^+)ーATPase (αIII)と比較してもイントロン挿入位置が19箇所も一致していた。このことは、両酵素の遺伝子が共通の祖先から進化してきたことを意味している。 ヒトとラットの(H^++K^+)ーATPase遺伝子の5´上流域は保存性が高い。一方、(Na^++K^+)ーATPaseなどの上流域とは保存性がなかった。このことは、組織特異的発現様式の違いとも関連している。(H^++K^+)ーATPaseのmRNAは胃粘膜にのみ検出された。ラットやブタの胃粘膜から、遺伝子の5´上流域を特異的に認識する因子を少なくとも2種類見つけることができた。それらは、ラットおよびヒト遺伝子の上流域でプロモ-タ-(TATA様配列)の上流40bpの保存された2箇所の配列を認識していることが明らかになった。このような因子は肝蔵にはなく、壁細胞に特異的な転写調節機構解明への糸口がえられた。
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