研究課題/領域番号 |
01571218
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮田 健 熊本大学, 薬学部, 教授 (90040310)
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研究分担者 |
甲斐 広文 熊本大学, 薬学部, 助手 (30194658)
高浜 和夫 熊本大学, 薬学部, 助教授 (80150548)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ピペリジン / REM睡眠 / 脳幹網様体 / アプリシア単離ニュ-ロン / コンセントレ-ションクランプ / ニコチン性Cl^-電流 |
研究概要 |
本研究はピペリジン(PiP)が中枢神経系に存在する新しい活性物質として、中枢の正常機能の維持に役立っていることを過去数年間の我々の業績から推定し、特にPiPが睡眠-覚醒調節系の機能維持に必須であるだけでなく、脳ホルモン分泌調節物質として重要な役割を果たしている可能性が強いことから、1.如何なる機序でこれらの機能に関与するか、さらに2.その異常によって如何なる精神神経異常が起こるかについても解明しようとする独創的なものである。本年度見出した重要な知見は下記の事項が挙げられる。他については論文を参照されたい。 1.PiPはREM断眠時に中脳網様体及び橋三叉神経前部網様体でその含量が正常時に比べ約1/3〜1/4、橋三叉神経後部網様体では約1/2に減少している。又、REN反跳時には逆にこれらの部位で約1.8〜2.2倍に増加する。網様体を除いた脳幹の残部組織では、もともとPiP含量が少ないが、REM断眠、或いはREN反跳時にも含量の明らかな変化は認められない。これらの事実はPiPが睡眠の中でも特にREM睡眠と密接な関わりをもつことを示唆している。 1.既に、イオントフォレシスで投与した際の脳単一ニュ-ロンに対するPiPの作用はニコチン遮断薬のC_6やTEAで遮断され、他の遮断薬では影響を受けないことを報告した。アプリシアの単離ニュ-ロンにおいてニコチン作動薬はCl^-電流を惹起する。そこで、アプリシア単離ニュ-ロンを用いてコンセントレ-ションクランプ法でPiPの作用を詳細に調べた。ニコチン性のCl^-電流は一過性のピ-クを形成する速い成分と、それに続くプラト-電流を形成する持続的な成分からなるが、PiPはこの内、速い成分のみを著名に抑制し、遅い成分には影響を与えなかった。このことからPiPはニコチン性のACh惹起Cl^-電流を解離すると重要な新事実が明らかになった。
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