研究課題/領域番号 |
01571221
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
竹石 桂一 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (90012608)
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研究分担者 |
堀江 信之 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (70209287)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | チミジル酸合成酵素 / ヒトゲノムDNA / プロモ-タ- / CATベクタ- / 発現制御因子 / 細胞分化 / DNA結合蛋白質 / 転写制御因子 / ミニ遺伝子 |
研究概要 |
本研究ではヒトチミジル酸合成酵素(TS)遺伝子の発現に関与する因子について解析した。 まず、ヒトTS遺伝子のプロモ-タ-は通常のCAT(クロラムフェニコ-ルアセチルトランスフェラ-ゼ)ベクタ-を用いた方法では同定が困難であったので、今回、エンハンサ-配列をもつ2種類のCATベクタ-(pCAT・E及び本研究で作製したpIGCAT・E)を使用して検討した。その結果、ヒトTS遺伝子のプロモ-タ-活性が初めて有意に検出され、転写開始部位の上流約400塩基対以内にその存在が確認された。これによりプロモ-タ-配列をさらに詳細に同定することが可能になった。 次に、ヒト培養細胞の核抽出液を用いて、ヒトTS遺伝子の5'末端領域の各種DNA断片に結合する蛋白質性因子を検索した。その結果3種類の因子を見出した。その一つは、キャップ部位の上流に存在すると推定していたオクタマ-配列に結合する因子であることが確認された。他の2つの因子は細胞分化に依存した変化を示した。すなわち、ヒト前骨髄性白血病細胞HL60細胞を分化させるとTS遺伝子の発現が抑制されるが、その細胞分化の過程におけるヒトTS遺伝子に結合する蛋白質性因子をゲルシフトアッセイ法で調べた。その結果、ヒトTS遺伝子の5'上流域に結合する一つの因子は細胞分化に伴って減少し、もう一つの因子は増加した。興味あることに、両因子は共に翻訳開始部位傍に相当するDNA領域に結合することが明らかになった。今後、これらのDNA結合蛋白質因子に対する抗体の作製や蛋白質の部分的アミノ酸配列の決定を行ない、さらに遺伝子をクロ-ニングして、それら因子の実体とその発現制御における役割を解明する予定である。
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