研究課題/領域番号 |
01571245
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 亀代次 大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (80144450)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 色素性乾皮症 / DNA修復 / 遺伝子クロ-ニング / 遺伝病 / Znフィンガ- / スプライシング異常 / RFLP / ノンセンス突然変異 / DNA修復遺伝子 |
研究概要 |
日光照射部位の皮膚癌高発と神経細胞死に起因する種々の精神神経症状を臨床的特徴とし、DNA修復能に異常をもつ色素性乾皮症(xp)A群の原因遺伝子をクロ-ニングした(XPAC遺伝子)。ヒトおよびマウスXPACcDNAの塩基配列を決定し、273個のアミノ酸からなる分子量31Kの蛋白をコ-ドし、C4 タイプのZnフィンガ-モチ-フをもつ遺伝子であることを明らかにした。ついで、日本人A群XP患者におけるXPAC遺伝子の突然変異を明らかにし、大部分の患者はイントロン3のスプライシング受容部位の点突然変異によるスプライシング異常によって発症していることを明らかにした。他にエキソン6あるいは3内のノンセンス突然変異も見い出した。いずれの突然変異も日本人患者のみに認められ、日本人に集積している突然変異と思われる。また、いずれの突然変異も、AlwNI、HphIあるいはMseIRFLPによって簡単に診断が可能である。日本人A群XP患者に関する限り、胎児診断、保因者診断を始めとした遺伝子診断が確実容易に行なえるようになった。日本人A群XP患者の中で皮膚症状や神経症状が軽微な非典型例は、エキソン6のノンセンス突然変異をもつことが明らかになった。この変異により、C未側46個のアミノ酸が欠失した短いXPac蛋白が生成されるが、その残存機能により患者の臨床症状が軽微になると思われる。A群XP患者の精神神経症状は神経細胞死にその原因がある。DNA修復異常のために、食物中の化学物質によるDNA障害あるいは内因性のDNA障害が蓄積し神経細胞死をおこし、神経細胞は再生しないために症候が顕者になると考えられる。しかし、xpac蛋白は脳ではDNA修復とは全く異なる機能をもち、それが欠如すると神経細胞死を引きおこすという考えも否定できす、今後の問題である。
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