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サルの脳虚血による海馬CA1錐体細胞の選択的破壊と記憶障害の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01571282
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

西条 寿夫  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (00189284)

研究分担者 藤本 一真  九州大学, 医学部, 助手 (50181392)
中村 清実  富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20143860)
福田 正治  富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (60126547)
小野 武年  富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50019577)
研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
キーワードサル / 脳虚血 / 海馬 / CA1錐体細胞 / 記憶障害 / 神経細胞壊死
研究概要

本研究では,サルを用い,脳虚血による海馬CA1錐体細胞の選択的破壊モデル動物の作製を目的とした。1.術式および脳虚血方法の開発:ハロ-セン麻酔下でサルの両側総頸動脈および椎骨動脈の4カ所,あるいはさらに両側の外頸および内頸動脈を加えた計8カ所の血流遮断を試みた。2.脳血流遮断時間の最適化:血流遮断時間と海馬CA1領域の選択的神経細胞壊死との相関関係を明らかにするため,上記の方法により,動脈4本の閉塞では,サル2頭を5分間および2頭を10分間血流遮断した。動脈8本の閉塞では,サル3頭を10分間,2頭を13分間,2頭を15分間および1頭を18分間血流遮断した。3.組織学的検索:脳虚血後5日目に脳を潅流固定し,パラフィン包埋法により組織学的検索を行った。動脈4本の5分間血流遮断では,脳内に虚血性細胞壊死は認められず,大脳皮質のV,VI層および線条体に軽度のグリア細胞の増加が見られた。動脈4本および8本の10分間血流遮断では,海馬CA1領域の錐体細胞の約1/3に,また,動脈8本の13分間および15分間血流遮断では,海馬CA1領域の錐体細胞の1/2〜1/3にわたって神経細胞壊死が見られた。また,これらの脳虚血では脳全体に軽度のグリア細胞の増加,および大脳皮質III,V,IV,線条体,扁桃体などで,神経細胞に軽度の空胞化や細胞体の萎縮が認められた。動脈8本の18分間血流遮断では,海馬CA1領域ではすべての領域で細胞壊死が見られた。しかし,海馬以外にも線条体,大脳皮質のIII,V,およびVI層にも細胞壊死が認められた。これらの結果から動脈8本の13〜15分間血流遮断が最適な条件であると考えられる。現在さらに,動脈8本の10分および15分間血流遮断したサル4頭を用いて,海馬CA1領域の障害による記憶障害を解析中である。遅延非標本合わせという再認テストを用いると,これらのサルでは遅延時間が60秒で正答率が約80%,300秒で約70%と低下することが確認された。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小野武年: "サル海馬ニュ-ロンの認知記憶応答性と虚血性壊死" Clinisian. 37. 94-97 (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Tabuchi,E.,Ono,T.,Kuze,S.,Endo,S.and Kogure,K.: "Memory and behavior after neuronal death in CA1 of the monkey hippocampus by transient forebrain ischemia." The Japanese Journal of Physiology. 39. S20 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Nishijo,H.,Tabuchi,E.,Ono,T.,et al.: "Memory deficits following neuronal death of CA1 hippocampal pyramidal cells by transient forebrain ischemia in monkey." Brain Research,Experimental Brain Research Experimental Neurology.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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