研究概要 |
1. 重み最小生成木Tが構成されているネットワ-クNで,リンク追加と削除が生じたとき,トポロジ-変化後のネットワ-クN´の重み最小生成木T´を再構成する,通信計算量O(nlog(f+t)+e)で理想時間計算量O(nlog(f+t)+n)の分散アルゴリズムを示した.ここで,nとcはそれぞれN´のプロセッサ数とリンク数で,tは追加リンク数,fは削除リンク数である.ここで,f=0のとき,m=n+fで,f>0のとき,m=eである.また,リンクとプロセッサの追加と削除が生じたとき,重み最小生成木を再構成する分散アルゴリズムも示している. 2. 完全ネットワ-クにおいて一つの有効ハミルトン閉路Hを考え,各プロセッサが自分に接続するリンクをH上の距離で識別できるとき,この完全ネットワ-クには方向感覚があるという.高々f_p個(f_p<n/2)のプロセッサが故障のために停止している方向感覚付き完全ネットワ-クにおいて,リ-ダ選択問題を通信計算量O(n+k・f_p)で解く分散アルゴリズムを示した.ここで,kは始動プロセッサ数である.この通信計算量はオ-ダ-的に最適である.故障のない場合,完全ネットワ-クの方向感覚の有無が,リ-ダ選択問題などの通信計算量のオ-ダに影響を与えることが知られている.ここでの結果は,故障プロセッサのある完全ネットワ-クにおいても,方向感覚の有無が,リ-ダ選択問題の通信計算量のオ-ダに影響を与えることを意味する.
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