研究課題/領域番号 |
01580050
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
結晶学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20113623)
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研究分担者 |
山本 正樹 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (00137887)
黒田 登志雄 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70080447)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 擬似液体層 / 表面融解 / 界面の融解転移 / 偏光解析法 / 氷結晶 / 粒界 / 凝似液体層 / 界面融解転移 / 疑似液体層 / 結晶粒界 / 偏光解析 |
研究概要 |
結晶粒界や結晶と下地との界面における原子配列の乱れは温度上昇とともに激しくなり、結晶の融点近傍ではある厚みをもつ擬似液体層が生じる。本研究では、氷結晶を試料として、粒界及び氷-ガラス界面における擬似液体層の厚みと屈折率を精密測定し、これらの系での融解転移温度や擬似液体層の物理的性質を明らかにする。本研究では、2カ年の研究期間の間に下記の研究成果を得た。 1. 氷-ガラス界面において、氷結晶の温度を上昇させながら反射光型偏光解析装置を用いて擬似液体層の消長を観測した。その結果、氷結晶の融点から約1K低い温度で氷-ガラス界面に擬似液体層を検出した。擬似液体層の厚みは、温度が上昇し、0℃に近づくとともに急激に増加した。さらに、氷結晶軸方位を変化させながら測定を実行した。本実験の成果は、氷の表面融解特性と比較検討され、融点近傍での結晶の界面構造に関し議論した。 2. 氷結晶粒界における擬似液体層の存在を調べるため、前年度から開発中の透過光型偏光解析装置を用いて実験を実施した。その結果、氷試料の粒界面へ入射するプローブ光の入射方位角の精度が十分ではないため、擬似液体層の厚み・屈折率の測定精度に問題があることが判明した。このため、この方位角を精密に制御できる様、装置を改良し、氷の粒界面においても、融点温度近傍では擬似液体層が存在することをほぼ確認できた。 3. 本研究の成果は、今後表面融解や界面・粒界での融解転移を総合的に理解するための基礎的な情報を提供した。今後は、さらに擬似液体層の動的な特性の測定を実行し、より詳細な表面・界面融解転移の研究を継続する。 *成果の公表を見合わせる場合がある場合は,その理由及び差し控え期間等を記入した資料を添付すること。
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