研究概要 |
1.発酵性細菌のEnterobacter cloacae GAO(以下GAOと記す)はCO_2とH_2ガスを生じて小麦粉生地を膨化する。GOAの水素ガス生成条件は、Gー培地(グルコ-ス含有基本培地)に窒素源では、Gー培地のアスパギン単独にたいしてカザミノ酸を0.1%添加することによりガス量がGー培地より2.5倍となった。H_2/CO_2比は0.60となった。 2.炭素源をグルコ-スに加えてTCAサイクルの有機酸:クエン酸、αーケトグルタル酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、ピルビン酸をそれぞれ0.5%加えて水素ガスの生成量をみた、総ガス量の多いのはフマル酸、ピルビン酸、αーケトグルタル酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸の順になった。総ガス中の水素ガスの割合をみると、αーケトグルタル酸が85.1%、クエン酸82.1%コハク酸81.5%と高率であった。 3.GAO菌のβーgalactosidaseを精製した。ラクト-スを含むブイヨン培地で培養した菌体を超音波破壊後、ストレプトマイシン処理、硫安塩析、セファクリルSー200,DEAEトヨパ-ル、アフィニティクロマト、FPLC(Mo noーQ Packed column)により電気泳動的に単一なβーgalactosidase 1,2を精製した。両酵素の分子量は約210,000で二量体であった。至適pHは7.2、至適温度は37℃、当電点は4.5であった。Mg,Zn,Mn,Co,Ni等の二価イオンによって活性化された。基質特異性は大腸菌とは明らかに異なった。アミノ酸分析の結果、既報のAerobacter cloacaeおよびE.coliに比べ本菌のβーgalactosidaseは、共にグリシン、セリンを多く含有していた。 4.ジャガイモを用いた発麺より、ガス発生量の良好な4株を饅頭へ応用したところ膨化力は良好であった。微生物の形態はかん菌、グラム陰性のオキシダ-ゼ(+)であった。
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