研究課題/領域番号 |
01580093
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 大妻女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
市川 朝子 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助教授 (30141295)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ポリイオンコンプレックス / キトサン / 吸水膨潤 / 高吸水性ポリマ- / 高分子フィルム |
研究概要 |
1.食生活へ応用できる高吸水性高分子の合成を目的とし、今回はキトサンのアミノ基とイオン結合し得るカルボキシル基含有物を対象とした。多糖類の誘導体であるカルボキシメチルセルロ-ス(CMC)と、タンパク質構成成分のポリグルタミン酸の2者を選び、フィルム状コンプレックスの形成条件を検討し、さらにそれらの吸水挙動等について調べた。2(1)、フィルムの形成条件:キトサンとCMCの混合は両者を一定の繰り返し単位モル比で配合し、水を加えて撹拌後更に全体が20%濃度となるようギ酸を加え撹拌し均一溶液を得た。またキトサンとPGAの場合は前者を60%ギ酸水溶液、後者を水に各々溶解し得る最少量で溶解後、混合して均一溶液を得た。各配合割合の均一溶液を枠を作ったガラス板上にキャストし、自然乾燥で数十ミクロンの透明なフィルムを得た。フィルム中の残存ギ酸はエタノ-ル洗浄で除去した。(2)、水浸漬による吸水挙動:いずれの場合もカルボキシル基とアミノ基のバランスが吸水性に重要な役割を果たしていた。CMCの場合、2つの基が同数の場合、吸水性は極小となりいずれかにずれると吸水性は増加した。PGAの場合(キトサン/PGA=1/9〜9/1)キトサンの配合比の多いものほど吸水性は大となり、配合比1/9〜3/7の間では吸水性は極めて小であった。(3)、酸、アルカリ浸漬による吸水挙動:キトサン/CMCフィルムに関して行った結果では、キトサンの多い組成では酸で吸水性の低下は少なく、アルカリでは大きく低下し、CMCの多い組成ではこの逆の挙動を示した。(4)、DSCを用いた熱分析:各々の組成フィルムに対し最初に常法によりN_2ガス下で常温から150°Cまでの熱変化を求めた。しかしこの温度領域内ではフィルム間の顕著な差は認められなかった。そこで、各フィルムに一定量の水を付加後、温度降下による結晶化とさらに加温し融解する際のエネルギ-分布の違いに組成比が関与しているか否かを現在検討中である。
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