研究課題/領域番号 |
01580149
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岡田 典弘 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (60132982)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | レトロポゾン / 種形成 / サケ / リジン / tRNA / 増巾 |
研究概要 |
1.レトロポゾンの増幅によるサケ科ゲノムのシェイピングとリシェイピングについて サケ科は進化的に非常に新しい魚類でる。一説によれサケ科が成立したのは、200万年前であり、サケ属が成立したのは数十万年前であると言われている。従って例えばサケ属に属するシロサケとカラフトマスが分岐したのは、それよりもはるかに最近の出来事であると考えられる。これは、例えばラットとマウスが分岐したのが1千万年以上前であり、ヒトとチンパンジ-が100万年以上前に分岐したと言うことを考えれば、如何に最近の出来事であるかがわかる。我々は、サケ属4種、ニジマス属2種、イワナ属4種、イトウ属1種、合計11種のサケ科魚類のゲノムを分析することにより、以下のことを明らかにした。 (1)サケ科には、配列の異なる3種類の、リジンtRNAを起源としたと考えられるレトロポゾンが存在する。 (2)第一のレトロポゾンは、11種のサケ科の魚類全部で増幅している。第二のレトロポゾンは分析したイワナ属4種全部で増幅しているが、サケ属、ニジマス属、イトウ属では、増幅していない。第三のレトロポゾンはサケ属の中のシロサケとカラフトマスでのみ増幅している。 (3)この様にサケ科魚類では、共通にリジンtRNAを起源としていると考えられるが、しかし配列の異なるレトロポゾンが、進化の異なる段階での差時的に増幅を行っている事が明らかになった。我々は、この様なレトロポゾンの増幅が、新しい表現型の出現と密接に相関している可能性があるのではないかと考えている。
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