研究課題/領域番号 |
01580195
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西村 行生 九州大学, 薬学部, 助手 (90136515)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | リソソ-ム / プロテア-ゼ / カテプシンB / カテプシンL / プロセシング / チモ-ゲン活性化 / カテプシンD / プロセシングプロテア-ゼ / カテプシンB,H,L,D / 細胞内プロセシング / 細胞内選別・輸送 / ゴルジ複合体 / 酵素活性化機構 / システインプロティナ-ゼ / プロセシングプロティナ-ゼ |
研究概要 |
リソソ-ムの主要な物質分解の機能を担うプロテア-ゼ群は、カテプシンとして知られている。これらカテプシンは生合成初期には不活性前駆体として小胞体内腔に存在し、ゴルジ複合体、エンドソ-ム、そしてリソソ-ムへと細胞内で選別されながら輸送される過程で活性化される機構が推定されている。本研究はカテプシンが細胞内選別輸送される過程で起こる細胞内プロセシングと活性化機構を解明することを目的で遂行し以下の結果を得た。1)カテプシンB,H,Lは不活性型のプロ型酵素として合成されたのち、リソソ-ムヘと到達したのち、アスパルテイックプロテア-ゼであるカテプシンDにより活性型の成熟酵素に変換されることが判明した。そして、輸送途上のトランスゴスジ領域ではプロセシングは進行しないことが明らかとなった。2)ラット肝小胞体内容物画分よりプロカテプシンBおよびLを完全精製することに成功した。精製酵素を用いてin vitro活性化実験を行ないリソソ-ムカテプシンDによりプロペプチド部分が切断されることを明らかにした。また、切断箇所は成熟酵素のN末瑞アミノ酸部分よりも上流のペプチド部分に相当していることが判明した。つまり、プロカテプシンBおよびLのプロセシングは多段階反応により、活性型の成熟酵素を生成しているものと考えられる。さらにプロカテプシンLについては、自己分解反応によってもプロセシングと活性化が進行することも証明した。3)カテプシンLの細胞内選別輸送機構解明の目的でマウスカテプシンLcDNAを酵母遺伝子由来の発現ベクタ-内に構築し、酵母内に発現させることを試みた。得られた形質転換株に存在するカテプシンL分子の生化学的諸性質についての解析は現在進行中である。
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