研究課題/領域番号 |
01580204
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
千秋 達雄 (財)東京都老人総合研究所, 生化学部, 室長 (60072998)
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研究分担者 |
引地 潔子 (財)東京都老人総合研究所, 生化学部, 研究助手 (10167603)
秋山 翹一 (財)東京都老人総合研究所, 生化学部, 研究助手 (10110024)
永田 三郎 (財)東京都老人総合研究所, 生化学部, 研究員 (00164434)
渡辺 和忠 (財)東京都老人総合研究所, 生化学部, 研究員 (70114717)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ペプチジルアルギニンデイミナ-ゼ / cDNAクロ-ニング / 下垂体 / 性周期 / 発現調節 / 免疫細胞化学 / プロラクチン / エストロゲン依存性 |
研究概要 |
下垂体におけるペプチジルアルギニンデイミナ-ゼ(PAD)の機能的意義を検討するため、ラット骨格筋型PADのcDNAのクロ-ニングとそれをブロ-ブとした下垂体中のPADmRNAの検出、PAD産生細胞と個々の下垂体前葉ホルモン産生細胞の詳細な対応、培養下垂体細胞株を用いたPAD産生に及ぼすエストロゲンの影響、下垂体内在性PAD基質タンパク質の検出条件等について研究を行った。 得られたcDNA配列には665個のアミノ酸からなるポリペプチドをコ-ドする領域が含まれており、その分子量は75,122と算定された。性周期周回中の雌ラット下垂体中のPADmRNA量は休止期と発情期前後に高く、発情期にはほとんど消滅し、発情後期は少量検出された。従ってmRNAで見た変動は、従来の研究で観察されたPADのタンパクレベルの変動とは振幅のみならず位相の点でも相違することが明らかになった。また、ラット2倍体下垂体細胞株(MtT/S)を適切な培養条件に置くと、生理的濃度の17βーEstradiolによって細胞中のPAD活性が数倍上昇すること、この反応はエストロゲンに特異的に起こること、また活性上昇は生合成促進を伴ったPADの実量の増加を反映していることが見つかった。この結果から、エストロゲンは視床下部を介さず直接的に下垂体に作用してPAD含量を調節しうることが示唆された。PADの局在に関しては、ペルオキシダ-ゼ法により抗PAD血清で染色した下垂体のやや厚切り切片を樹脂に包埋後、準薄切切片を作成し脱樹脂処理を行ってから蛍光抗体法により個々の抗前葉ホルモンで染色する方法でPAD陽性細胞がプロラクチン陽性細胞とのみ部分的対応を示すことを確認した。内在性基質タンパクについては、PADの反応による荷電の減少の分析のため、2次元電気泳動の諸条件の至適化を終えた段階に達した。
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