研究課題/領域番号 |
01580211
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線生物学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤堂 剛 大阪大学, 医学部, 助手 (90163948)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | DNA修復 / 柴外線損傷 / ゲル・シフト法 / ショウジョウバエ / DNA結合蛋白 / 紫外線損傷 / ゲルシフト法 |
研究概要 |
ショウジョウバエ初期胚からの細胞粗抽出液中に、柴外線照射されたDNAに特異的に結合する蛋白が存在することをゲル・シフト・アッセイ法により示す事に成功した。この蛋白因子の諸特性を検定するとともに、単離・精製を行った。精製した蛋白のアミノ醸配列を決定し、この蛋白をコ-ドしている遺伝子をクロ-ニングする事を最終目標としている。現在までに明らかにした特性および今後の見通しを以下にまとめる。 1.ゲル・シフト法により2本のバンドを検出した。2本のバンドは基質に対する親和性が違う事から、各々異なる蛋白がDNAと複合体を形成していると考えられ、それらをFactor1およびFactor2と命名した。 2.光回復によるゲル・シフトが抑制される事から、蛋白因子はピリミジン・ダイマ-を認識していると考えられる。 3.DNA修復能に欠損を持つ突然変異株の細胞抽出液をゲル・シフト法で検定したところ、除去修復能に欠損を持つ4株においてFactot2が欠損している事、複製後修復能に欠損を持つ1株がFactor1を欠損している事が解った。Factor1、2は各々の修復系に関与している事が示唆された。4.ヘパリンアガロ-ス、柴外線照射DNAセファロ-スゲルの2種のアフィニティカラムにより蛋白因子の単離・精製を試みた。Factor2については精製に成功し、約45〜50Kダルトンの蛋白である事が解った。Factor1についてはまだ銀染色したSPS・PAGEゲルで数本のバンドにまでしか精製されていない。 5.精製過程で、Factor2が光に感受性である事が判明し光回復酵素の関与が考えられたが、抽出液中の光回復能とFactor2活性とは相関しない事が解った。これらの事実は光回復能を持たないが光感受性である蛋白の除去修復系への関与を示唆しており興味深い。このFactor2は現在5μg程単離されており、そのクロ-ニングにも道が開けている。
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