研究概要 |
本年度の交付申請書の研究実施計画にあげた3項目は次のように、いずれも満足すべき結果で達成された。 1.ヘミデスモソ-ムの単離法の確立:ウシの角膜上皮の基底膜が平坦である点に着目し、角膜上皮をメスの刃を用いてはぎ取り、ヘミデスモソ-ムのみを基底膜上に残すことに成功した。残ったヘミデスモソ-ムをキレ-ト剤で処理することにより遊離させ、回収した。純度は蛍光顕微鏡および電子顕微鏡で検定し、満足すべき結果を得た。 2.構成成分の生化学的分析:ゲル電気泳動法により、単離ヘミデスモソ-ムの主要構成成分は分子量、480,250,230,180,130kDaのタンパク質であることがわかった。糖タンパク質の同定も行った。 3.モノクロ-ン抗体の作成:単離ヘミデスモソ-ム画分を抗原にしてマウスを免疫し、モノクロ-ン抗体作成を試みた。現在、250kDaを除く主要成分に対する抗体を得ている。 このようにヘミデスモソ-ムの単離法を確立し、主要数成分に対するモノクロ-ン抗体を得たことによりヘミデスモソ-ムの分子構築を明らかにする展望が開けた。 これらの成果を得るにあたり、本研究補助金により購入した定電力電源装置は単離ヘミデスモソ-ムの生化学的解析に、大量の仔牛血清と標識抗体はモノクロ-ン抗体作成および検定に、そして液体窒素容器は抗体産生ハイブリド-マの保存に、それぞれ不可欠のものであった。また、屠蓄場で牛の眼を合計2000個以上とりだすのに一部アルバイトに依った。
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