研究課題/領域番号 |
01580276
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
青山 彦聖 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90017426)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 呼気流 / 聴覚障害 / 発音訓練 / 聴覚障害者 / 呼気流情報 |
研究概要 |
肺から圧出される呼気流が種々の調音器官によって制御されることにより音声波が生成されるので、音声を発声したとき唇から同時に放出される呼気流には音韻、及び調音に関する情報が含まれていると考えられる。しかしこの様な観点での呼気流の研究はこれまで殆ど行われていない。そこで本研究で唇より音声波と共に放出される呼気流の振舞いを明確にし、そしてそれを発音学習に用いるための基礎研究を行うとにした。まずは熱線センサ-を用いた定温度型風速計による呼気流の定量的な計測方法を確立し、そしてまた呼気流計測装置を製作した。先天的に聴覚障害を持ち、現在も発音学習を続けている17才の女性A及び13才の男性Bの計2名の発音時に唇より放出される呼気流を、前述の呼気流計測装置を用いて求め、そしてこの呼気流を発音学習に利用するにはどうすべきかと言う点に着目して検討をすることにした。これら聴覚に障害を持ち被験者の音節個々の発音の特徴を検討した結果、ここでは“破裂子音+母音(CV)"音節を重点的に検討することにした。ところで、“破裂子音+母音(CV)"音節を正しく発音した時、唇から放出される呼気の流速波形には、破裂子音から後続母音への渡り部辺りに山形のかなり鋭いピ-ク状波形がほとんどの場合にみられ、そしてこれが音韻や調音とかなり相関のあることが解った。そこでこの山形波形のピ-ク値の最大のものU_<pm>、その計測されるセンサ-の方向θ_m、母音の始まりから山形波形の最大のピ-クまでの時間τ、そして山形波形のピ-ク値U_pがU_<pm>の10分の1以上になる範囲θ_sに着目して検討を行った。その結果、前述の特徴量のうち山形波形の最大のピ-ク値U_<pm>及びその得られる方向θ_mは音節の音韻をよく特徴付け、またこれらは発音学習に有用な示唆を与えること、及びこれらの様相からその時の発音や聴音の様相を説明し得ることが解った。
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