研究概要 |
本年度は3ヶ年研究のまとめにあたり,一輪車走行の課題が研究の素材として適したものであるか否かの評価を踏まえ,総合的な実験を行なった。この結果いくつかの結論を得た。 (1)一輪車走行は平均的な大学生を対象にした場合,1日30〜40分の練習時間を前提として,4〜5回の練習で,一応,一輪車に乗れる状態になる。ここで,一応乗れる状態とは,補助なしで2回転以上,くり返し走行可能な状態をいう。 (2)一試行あたりの平均ペダル回転改を縦軸に,時間を横軸にとると典型的な学習曲線が得られる。また学習の達成水準は必ず,回の区切りを境に,次回のスタート時のレベルは,前回の終了時を下回る。 (3)約5分毎のサイクルで被験者に,自己のモータースキルに関する内観をとる。自分の内観に基くモータースキルの変化の状態と,VTRカメラで観察したモータースキルの変化の状態を対応づける。その結果顔の向き,姿勢,腰の位置,腰の深さをインデックスとし,認知とモータースキルの対応関係を調べることが比較的定安した,信頼性のある,調べ方であることが判明した。それぞれのインデックスは,当初,それぞれバラバラの達成レベルを示すが練習間括後約100名経過したあたりから各インデックスの協応がなり立つ。 (4)顔の向きと腰の深さに関しては,学習が達成されるにつれて,認知と行動のずれはなくなる。しかし,姿勢と腰の位置についてはずれが多く見られる。
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