1.当センタ-の30cm反射望遠鏡に、本研究で購入したCCDビデオカメラシステムをとりつけ、天体を撮影した。その結果は概して、予想通り大阪のような大都市でも、鮮明で高解像度な画像をビデオテ-プに撮ることができた。 2.1)月については、クレ-タ-、海、谷などの細かな構造まではっきりと臨場感にあふれた画像を、2)木星などの惑星についても、写真では得られないきれいな画像を得た。3)但し太陽については、よい結果が得られず、今後半値巾の狭いHαフィルタ-の使用とか減光フィルタ-の組合せなどの研究が必要である。 3.1)このCCDカメラ(Canon Ci20R)は赤外域での感度が高い機種を選んだので、都市部でも市街光や大気塵の影響が少ないコントラストの高い画像を得ることができた。2)又このシステムをカラ-対応でなくモノクロ対応にして、解像度を上げた。3)撮影の際HFフィルタ-やRフィルタ-の併用が効果的であることがわかった。 4.当センタ-に研修にきた小・中・高校の先生方に、筆者(又は先生方と共に)が撮影したこれらのビデオテ-プを天文教材として学習に用いるため学校に持ち帰ってもらった。今迄のところ、これらのビデオテ-プを児童・生徒に見せて、彼らがどんな反応を示したとか、具体的にどのように用いて、ビデオの撮影内容の長所・短所を見い出したかなどについては、集約が一部分しかできていない。しかしこれらを効果的に授業や課外活動に活用できるという感触と確信を得たので、今後系統的に集約・分析してさらに教材としての工夫を続ける計画である。 5.将来、太陽用Hαフィルタ-やビデオジェネレ-タ-(ビデオテ-プに時刻などのデ-タを記録する)などを揃えて、このビデオカメラシステムを充実させていきたい。
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