研究課題/領域番号 |
01601027
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
道上 正規 鳥取大学, 工学部, 教授 (10027245)
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研究分担者 |
江頭 進治 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027286)
小橋 澄治 京都大学, 農学部, 助教授 (40026604)
奥西 一夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (30027239)
新藤 静夫 千葉大学, 理学部, 教授 (70058014)
八木 則男 愛媛大学, 工学部, 教授 (00027228)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1989年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
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キーワード | 土砂崩壊 / 災害予測 / 豪雨 / 浸透流 / 集中流 / 土石流 / 危険範囲 / データベース |
研究概要 |
豪雨による土砂災害の予測に関して、これまでの結果とあわせて、以下のような本研究の成果が得られた。 1.斜面地下水の集中流の機構:降雨時の斜面内の地中水を観測した結果、斜面内部の飽和帯の発生後、基盤上部に集中流が発生すること、集中流の流路のパイプ状孔隙が降雨の繰り返しによって、発生、発達及び消滅すること、降雨前は地中流が鉛直下向きであったのが、斜面全体が飽和状態になったとき側方流が顕著になることが明らかにされた。また、土層を代表する透水係数は、通常の透水試験で得られる値より大きいことがわかった。 2.崩壊発生時刻の予測:タンクモデル法及び危険降雨量法によって、まさ土地帯の斜面崩壊発生時刻の予測を試みた結果、土層の透水係数によってその限界値は異なるものの、これらの手法が崩壊発生時刻の予測に適用できることが判明した。さらに、浸透流解析と無限長斜面の安定計算に基づく崩壊発生予測モデルにおいては、斜面方向の透水係数を通常の飽和透水係数より10倍大きくし、かつ不飽和側方流を考慮する必要性を指摘した。 3.崩壊発生位置の予測:崩壊発生位置の予測のため、六甲山系でデータベースの構築を行なった。情報としては、50m方格メッシュで、地質、傾斜、標高、集水面積、斜面の3次元形状、土地利用条件などが得られている。これらの資料より、崩壊可能度のランク付けを数値で示すとともに、崩壊の発生周期、崩壊地の回復、新規発生についても検討し、崩壊の消失や新規の崩壊の発生が比較的急激に起こっていることがわかった。 4.崩壊規模と危険範囲の予測:崩壊規模や到達距離の実態について検討した結果、到達距離は斜面の高さ程度のものがほとんどで、せいぜい斜面高の2倍程度までである。また、崩壊土砂の流動に関する運動方程式を考察し、エネルギー散逸を評価した抵抗則を導き、崩土の速度分布、濃度分布および堆積形状を明らかにした。
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