研究課題/領域番号 |
01601502
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
勝井 義雄 北海道大学, 理学部, 教授 (40000757)
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研究分担者 |
中川 光弘 北海道大学, 理学部, 助手 (50217684)
新井田 清信 北海道大学, 理学部, 講師 (30111149)
河内 晋平 北海道大学, 理学部, 助教授 (10000829)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 火山災害 / 災害予測 / 樽前山 / 恵庭岳 / 降火軽石 / 軽石流 / 岩屑なだれ |
研究概要 |
本研究では昭和62年度の有珠山、同63年度の駒ヶ岳につづき、樽前山を対象として火山災害予測と防災に関する基礎的研究を実施した。研究の推進中に、樽前山と同じ後支笏カルデラ火山である恵庭岳も最近に噴火していることが判明したので、このの火山についても研究を行った。それらの成果は次のように要約される。 (1)樽前山の噴火と災害予測ーー次の3つの可能性が想定される。 【○!1】現在の溶岩円頂丘が爆発により破壊する(小〜中規模噴火) 【○!2】上のあと火砕物を放出し、第3の溶岩円頂丘を形成(中規模噴火) 【○!3】大規模な降下軽石・軽石流を噴出(大規模噴火) 以上3つの噴火のうち【○!3】では降灰量が恵庭市・千歳市・苫小牧市で層厚最大1mに達する可能性があり、高温の軽石流が山麓に流下する危険性がある。また、土石流が降雨により誘発する危険性もある。 (2)恵庭岳の噴火と災害予測 恵庭岳は従来活火山として注目されていなかったが、噴出物中の木片の放射性炭素年代測定しにより、275±80および195±80年BPに岩屑なだれを伴う水蒸気爆発をおこしたことが明らかになった。したがって、恵庭岳では将来もこのような噴火と岩屑なだれによる災害が予想される。 樽前山および恵庭岳の周辺は、都市・リゾ-ト施設・空港・港湾・工場など建設され、これは森林・農地などとともに噴火による被災をまぬがれない。本研究成果には、これまでの降下軽石・軽石流などの噴出物の分布図が付してあるので、これをもとに防災的観点からこの地域の長期的開発計画をチェックすることが減災につながる。噴火記録のない恵庭岳でも17世紀以降に噴火したことが立証された。これは西南北海道の火山が活発なことを示すもので、防災上留意すべきである。
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