研究課題/領域番号 |
01601506
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ゲラ- ロバ-ト 東京大学, 理学部, 助教授 (40170154)
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研究分担者 |
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 助手 (90134634)
坪井 誠司 東京大学, 地震研究所, 助手 (90183871)
平田 直 千葉大学, 理学部, 助教授 (90156670)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 強震動予測 / 重みつき残差法 / ガレルキン混合法 / 無反射境界 |
研究概要 |
本研究の目的は、水平及び鉛直方向に不均質な媒質に於ける強震動伝播を定量的に評価する手法を開発することである。解析解に基づく計算手法は高速であるが、限られた媒質にしか適用できない。一方、純数値的方法である有限要素法・差分法は任意の不均質媒質を扱うことが可能だが、必要な計算量がきわめて多く、特に3次元不均質媒質の影響を定量的に評価することは現在の大型計算機を用いても非常に困難である。従って、解析的手法と純数値的手法の利点を結合する新しい方法を開発することが不可欠であり、これが本研究の目標である。この目標を達成するために重みつき残差法に基づいたガレルキン混合法を利用した。 本研究では、3つのケ-スを扱った。(イ)成層構造、(ロ)任意不均質構造、(ハ)任意不均質な構造の中で不均質の水平方向変化が鉛直方向の変化より相当緩やかなものの3つである。このうち(ハ)が大都市付近の地盤構造を最も良く反映しており、防災科学的に最も有意義である。本研究の手法では地震波の変位場を展開する試験関数として変数分離法による解析解をとることができ、解析的解法と純数値的解法とを組みあわせることができる。本研究により試験関数の水平方向と鉛直方向の依存性を媒質の性格と調和する様に選ぶことが数値計算の効率最適化のために不可欠であることが明らかになった。一方、強震動の数値モデリングは周波数領域で行う方が利点が多いにもかかわらず、人工境界からの反射による汚染の問題があるために、従来は時間領域でモデリングされることが多かった。しかし、ガレルキン混合法では人工境界の反射を防ぐ無反射境界条件を簡単に組み込むことができるので、周波数領域での計算上の利点を生かすことも容易になった。詳しい説明は大湊他(1990)に述べられている。この方法により、realisticな3次元不均質媒質モデルに於ける強震動数値シミュレ-ションが可能となると思われる。
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