研究課題/領域番号 |
01601512
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
荒井 克彦 福井大学, 工学部, 助教授 (00115289)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 動的物性定数 / 逆解析 / 地震加速度 / 変形係数 / 減衰定数 / 有限要素法 / 基礎地震 |
研究概要 |
都市住空間に対する地震荷重の推定が容易でない原因の一つとして、基礎地盤の動的物性定数を推定しにくく、地表面での振動荷重の把握が困難なことが挙げられる。局所的な原位置試験や室内土質試験では、基礎地盤全体の動的物性定数を正確に推定することが困難な場合が多い。本研究は、地表面と基礎地盤下で観測された地震加速度の入出力から、基礎地盤全体の動的物性定数を逆に推定(逆解析)し、基礎での地震入力に対する地表面での地震荷重を推定することを目的とした検討を行って次の結果を得た。1.基礎地盤を比例型減衰特性をもつ一様弾性体とみた場合の、減衰定数・弾性係数を逆解析する手法を開発し、多数の地震記録に適用しやすい効率的なプログラムを作成した。この逆解析手法は、物性定数を仮定して、有限要素法を用いて時間領域で求められる加速度応答計算値と地震加速度観測記録の周波数領域での誤差二乗和を最小にする物性定数を自動的に決定する。2.地中での地震観測記録の入手が容易ではなかったが、東京湾沿岸・千葉・大阪平野などにおける多数の地中・地表地震観測記録を入手できた。3.1.の逆解析手法を、2.の大小多数の地震加速度観測記録に適用した結果、1)本逆解析手法では、変形係数より減衰定数の影響が大きい、2)加速度の小さい地震では、動的物性に関する上述の仮定でも加速度応答をかなりの程度表現できるが、加速度が大きくなると応力-ひずみ関係の非線形性などを考慮しないと、物性定数値を変えるだけでは観測された加速度応答を表現できない、などの特性が明らかになった。本逆解析手法により、基礎地盤の全体的な減衰定数を精度よく推定できるが、変形係数については、非線形の構成則や地盤の不均一性を考慮に入れた検討が必要のようである。本研究で入手した多数の地震観測記録について、この観点からの検討を今後行う予定である。
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