研究課題/領域番号 |
01601514
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村本 嘉雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027223)
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研究分担者 |
大久保 賢治 京都大学, 防災研究所, 助手 (50135612)
藤田 裕一郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (90027285)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 河川堤防 / 貯水池 / 破堤 / 段波 / 洪水 / 河床変動 / パイピング |
研究概要 |
本研究では、河川堤防及び貯水池の決壊に伴う洪水・土砂の流下過程について、土中侵食と浸透による河川堤防の破壊過程、ならびに貯水池決壊段波の流下過程に関する基礎実験と数値解析を行った。 まず、河川堤防の破壊過程については、堤体底面に先端浸透型あるいは全面浸透型のパイプ状空洞が存在する場合を想定し、大小2種類の模型堤体(土質定数20通り)を対象として、空洞の先端位置を堤体底面の10等分点にそれぞれ設定して浸透流解析と堤体の安定解析を行った。その結果、空洞の位置が表法肩から河道側に移ると、パイプの様式に関係なく浸出流量が急増し、堤体が不安定になることが分った。また、堤体の安定に関して内部摩擦角より粘着係数の影響が極めて大きいことが示された。こうした解析結果の妥当性を基礎実験から明らかにするとともに、堤体の土中侵食の進行から破壊に至るプロセスを浸出流量や流出土砂量などの変化から詳細に考察した。 つぎに、貯水池決壊段波の流下過程については、固定床水路(滑面・粗面)、移動床水路及び貯水池に流入する段波の伝播・変形過程を実験的に検討し、漸変非定常流と河床変動に関する数値解析の適合性について考察した。固定床の場合には、段波のフロントとピ-クの伝播特性に対する河床勾配、粗度係数及び貯水池初期水深の影響は、実験と計算の結果が定性的に対応するが、初期流下過程に適合する粗度係数の値は定常流のそれの約1/2であって、下流地点で通常の値に近ずく。移動床水路の段波は、立ち上がりが急激であって、流下過程で波高が増大したり、一定波高が継続するなど単調な逓減特性を示さない。一方、貯水池における段波の流下過程は、初期進行波では計算値と実験値がほぼ一致するが、波高の大きい遡上波については砕波するために、実験値は計算値に比べて波高が低く、伝播速度も小さくなる、などの特徴を指摘した。
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