研究課題/領域番号 |
01601517
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々 恭二 京都大学, 防災研究所, 助教授 (30086061)
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研究分担者 |
日浦 啓全 京都府立大学, 農学部, 助手 (30046495)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 地すべり / 災害危険地図 / せん断試験 / リングせん断試験 |
研究概要 |
日本における近年の経済の急激な拡大により住宅地の不足が深刻化し、山地の開発が一段と激しくなってきた。これら傾斜地や斜面に近接して建てられた住宅は、長崎災害、島根災害、長野市地附山地すべりの災害にみられるごとく地すべり・傾斜崩壊災害を被る可能性が極めて高い。そこで本助成金を得て地すべり・傾斜崩壊土塊の運動時のマサツ係数を新しく開発した高速・高圧リングせん断試験機を用いて研究し、現地の土と水分条件により、予め地すべり・斜面崩壊土塊の運動亜範囲を知るための研究を行った。 その結果、崩土の運動時のマサツ係数に関して新たに次の知見を得た。 (1)従来の概念と異なり通常の地すべり・斜面崩壊の応力範囲と速度の範囲では速度によらずマサツ係数が一定であること(2)すべりの進行中にせん断面の粒子が著しく破壊されるために土によってはマサツ係数が増大あるいは減少すること(3)地すべり・斜面崩壊土塊が斜面土層の上を移動するとき土層の飽和度・透水係数・崩土の速度によっては高い間ゲキ圧が発生し、マサツ係数が著しく低下し得ること。またこの研究で確立された土砂運動時のマサツ係数の実測法と佐々が先に開発した計算機シミュレ-ションを用いて、急速かつ大規模に運動した御岳大崩壊の地域について災害危険地図の例を作成し、かつ大規模ではあるがきわめて緩速の善解地すべりと地附山地すべりについては研究を継続している。 これまでの研究の成果は本年8月にモントリオ-ルで開かれる第19回国際林業研究機関連合世界大会でで招待論文として講演するほか、広く一般の住民に知ってもらう為に山海堂から「地すべり・斜面災害を防ぐために」として出版し、また現場技術者を対象として鹿島出版より「地すべり・斜面崩壊の予知予測」として出版予定である。
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