研究課題/領域番号 |
01602006
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 放送教育開発センター |
研究代表者 |
大橋 力 放送教育開発センター, 研究開発部, 教授 (90015652)
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研究分担者 |
永村 寧一 工技院製品科学研究所, 人間工学部, 部長
小田 晋 筑波大学, 社会医学学系, 教授 (90049156)
高橋 弘太 東京大学, 工学部計数工学科, 助手 (10188005)
山崎 弘郎 東京大学, 工学部計数工学科, 教授 (30092365)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 高密度生活空間 / プラス要因 / 環境音 / 音環境質 / 高周波音 / 快感・不快感 / 脳波 / 生体情報計測 |
研究概要 |
1.高密度生活空間の音環境における高周波成分の分布の検討:環境・建築構造・材料の違いによる生活空間内の高周波音の分布について詳細に検討するために、起動性の高いマイクロフォンを導入し、環境音収録システムの機能を向上させた。その結果、自然性の高い音環境のなかには豊富に存在している高周波成分が、都市のコンクリ-ト造の屋内空間では相対的にも絶対量としても著しく乏しくなっていることが確認された。 2.高周波音遮断・非遮断による脳波の変化の検出:脳波の画像解析装置を新たに導入し、高周波音の遮断・非遮断の脳波のエネルギ-分布への影響を精度を上げて検討した。その結果、高周波成分の有無によって、脳波のパワ-スペクトルに可逆的な変化が生じることが被験者14名中10名に見出された。その影響は、次の5種のタイプに類別できた。第1は、高周波成分の影響が認められないタイプ、第2は高周波成分の存在によって脳波全体が可逆的に活性化されるタイプ、第3はα波が特異的に可逆的に活性化されるタイプ、第4はパワ-の分布が可逆的に徐波側にシフトするタイプ、変化の構造が不明瞭なものは第5のタイプと類別した。 3.環境音遮断・非遮断による脳波の変化の検出:同一被験者をさまざまな環境条件下に所在させて脳波計測を行い、比較検討した。その結果、環境音からの遮断によって脳波のエネルギ-分布に変化が生じるという注目すべき結果が得られた。変化の傾向は、環境音からの遮断によってα波帯域のエネルギ-が減少するもの、β波帯域が活性化されるもの、変化の見られないものなど、高周波除外・非除外実験の結果と整合する。環境音からの遮断により、脳波のエネルギ-分布が速い波の方へシフトする傾向が見出され、自然な環境音からの遮断が不快感の発生や快適感の減少につながる可能性が示唆された。
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