研究課題/領域番号 |
01602026
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
村山 忍三 信州大学, 医学部, 教授 (90020718)
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研究分担者 |
酒井 伸一 京都大学, 環境保全センター, 助手 (90170555)
松島 肇 浜松医科大学, 医学部, 講師 (90107821)
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
倉橋 研吾 香川医科大学, 医学部, 教授 (30032866)
田中 勝 国立公衆衛生院, 衛生工学部, 室長 (50106225)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 医療廃棄物 / 医療機関 / 処理処分 / バイオハザード / 焼却 / 埋立 / 微生物動態 |
研究概要 |
病院、医療系研究機関より発生する医療廃棄物は、病原性、感染性をはじめ、有害化学物質等を含む不均質組成を有しており、これらの視点から適切な処理処分体系を確立することが求められる状況にある。特にウイルスなど病原微生物を含む可能性のある感染性廃棄物に対しては、処理処分過程においてその危険性を十分に考慮した取り扱いが必要となる。本年度の研究成果の概要は次の3点に要約される。(1)全国の自治体603カ所に対し医療廃棄物処理の現状に関する調査を行い、医療廃棄物をすべて収集している自治体は12%であり大半は公共が関与していないこと、医療廃棄物による事故や問題が48%の自治体で発生していること、など深刻な現状が明らかになった。(2)医療廃棄物の焼却処理についてある一定温度、一定時間以上の高温雰囲気下の適正処理であれば、その滅菌性は確保されるが、一部の焼却灰で多量の微生物残存が確認された。一般に微生物は湿熱に比べて乾熱にきわめて強いため、加熱不十分な部分ではかなりの細菌が残存する可能性があるためであろう。適正な工学的設計、適正な管理技術を実施する必要性が示唆された。(3)埋立処分における微生物動態について、現在の処理体系においてはなんらの処理も受けずに直接埋立処分されている廃棄物もあるため、埋立地における微生物の挙動の把握を行った。埋立カラムにおける実際の医療廃棄物を使った実験ではし尿由来の細菌が存在し、それが長期にわたって排出されることが示された。また、大腸菌や腸球菌などの芽胞非形成菌も生存することから種々の病原体の生存の可能性が示唆され、滅菌・消毒を施さない医療廃棄物埋立を再検討する必要性が示された。
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