研究課題/領域番号 |
01602030
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
鈴木 紀雄 滋賀大学, 教育学部, 教授 (90025354)
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研究分担者 |
渡辺 義人 信州大学, 繊維学部, 講師 (10021172)
桜井 善雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (30021140)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 沿岸帯 / 水浄化 / ヨシ群落 / 付着藻類 / 栄養塩 / 沿岸帯の保全 / ヒメタニシ / ヤナギ |
研究概要 |
ヒメタニシは他の貝(カワニナなど)と違って水の浄化に大きく寄与していることを見つけたが、その浄化のメカニズムは(1)ヒメタニシによる付着藻類の摂食(2)リンの不溶化(ヒメタニシは高濃度のリン溶液でほぼ60mug/日・個体の割)(3)糞からの栄養塩の回帰が少ない(カワニナの1/3以下)(5)植物プランクトンを直接ろ過摂取する(6)植物プランクトンを沈澱促進させ不活性化させる(ヒメタニシは1日240mlから720ml中の植物プランクトンを減少させる)。これらの結果から水草地帯では植物プランクトンを2.8日から8.4日の間でゼロにする能力をもつことがわかった。 水生植物の中で抽水植物や沈水植物に付く付着物は栄養塩の吸収につながり水浄化の上で重要な役割を持つ。沈水植物に付く付着物現存量は水草体の単位乾重量当たりでエビモは(1.01g/g)、ササバモ(0.20g/g)の5倍であった。単位葉面積当たりの付着物量もエビモ(30.7g/m^2)はササバモ(9.2g/m^2)の3倍であった。エビモのCやN量はササバモの3倍で、エビモは水浄化に大きく貢献していることが示唆される。 ヨシ再生のための方法として抽出植物植栽時の侵食防止用素材は根や地下系の貫通が容易で、地上部・地下部の成長も優れているウールマットが最適であることをみた。また、水辺環境の復元には水辺の侵食防止・修景の上でもヤナギ以外に高木・低木を交えた多様な水辺林の造成が必要である。長野県下では自然度の高い水辺環境にはハルニレ林、カラコギカエデ林、ウメモドキ林、ハンノキ林、ヤチダモ林等の群落組成をみることが出来これを参考にした樹種の選択が望ましい。
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