研究課題/領域番号 |
01602034
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
盛岡 通 大阪大学, 工学部, 助教授 (30029350)
|
研究分担者 |
枡元 慶子 大阪市立環境科学研究所, 研究員
仲上 健一 立命館大学, 経営学部, 助教授 (10109077)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | ベイエリア / 環境計画 / 産業構造転換 / ウォーター・フロント / アメニティ・サービス |
研究概要 |
1.大阪ベイエリアの開発・保全のわくぐみの形成について検討した。特に遊休地に接した海岸線を公共地として確保し、周辺環境の改善と交通・情報など都市基盤整備をおこなえば、トータルとしての向上が期待される。そのため用途地域指定の変更や周辺の各自治体の連携による広域環境資源管理計画の策定が必要であり、そこではくらしと開発および環境保全を共存させた広域的な環境管理をめざすことが有効である。 2.ベイエリアの歴史的変遷について、特徴点をまとめると、まず過去の産業開発の反省から、コンビナート型の産業結合ではなく、知的資源の拠点とネットワーク型の結合が期待されていること、第二に昭和40年代に喪失した水辺のくらしについて、工業地の裏側に封じ込められた人びとのくらしを再び水辺に取り戻すときである、第三に海岸線の延長は長くなったが、単純化しており、そのなかでは早い時期に埋めたてで形成された海岸線は陸封化されているものの、そこは風景的、環境資源的にも適度なスケールの凹凸をもつ人間尺度に近い空間を残しており、くらしの場として修復活用できる可能性がある。第四に河川低平地河口部の都市においては水を治めてオープン・スペースは減少しており、緑地やオープン・スペースを増やすことが歴史的にみても重要である。 3.水辺のアクセシビリティの実態調査をおこなったところ、立ち入り不可能とあえて立ち入りうるが危険をともなう場所とで約2/3を占めた。水辺利用型の交流空間は数ケ所あるが、都市の中心部からの経路に環境整備上の課題がある。実態として内水面がオープン・スペースとして機能している。また、ある種のスケールの場の限界はあるものの、工業地のものづくりの景、荷揚げ地の躍動感や船舶の日常見慣れない景色に触れることを異体験として組み込む環境整備も可能である。全体として、マスタープラン的計画による誘導と水辺環境の整備指針も必要。
|