研究課題/領域番号 |
01602040
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
柏木 希介 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20086698)
|
研究分担者 |
門倉 武夫 東京国立文化財研究所, 主任研究官 (10000457)
齋藤 昌子 共立女子大学, 家政学部, 助教授 (20104086)
芳住 邦雄 共立女子大学, 家政学部, 助教授 (60220620)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 二酸化窒素 / 二酸化硫黄 / 保存科学 / 文化財 / 変退色 / 金属表面劣化 / 環境基準 |
研究概要 |
1.文化財の展示、収蔵施設の内外におけるNO_2濃度およびSO_2濃度の年間平均値を、NO_2についてみると、屋外の濃度は25-65ppb程度であり、東京都内の年間平均値30ppbよりもおおむね高めの値であった。しかし、空調設備の整った展示室では8-20ppb程度であり、展示ケース内では、さらに低く6ppb程度であった。独立した空調設備が用いられたり、閉鎖状態が維持されることの多い収蔵庫では4-5ppbときわめて低い濃度となっていることが判明した。一方、SO_2は、ディーゼル排気の影響を直接的にうける地点で31ppbと例外的に高く、その他屋外では、5-14ppbであり、東京都内における年間平均値8ppbに匹敵する濃度値となっていた。展示室、収蔵庫などの屋外では、1-3ppb程度ときわめて低濃度であり、又、NO_2に比較して屋外濃度に対する低下の度合いも著しいことが認められた。 2.NO_2に対する実験室的暴露実験の結果から、染色布の色差△Eをdose-response関係として同一の図にプロットした結果、若干のばらつきがあるが、綿および絹のいずれの場合も一つの特性曲線で表わせ、基質および湿度の影響が顕著に認められた。綿布におけるよりも絹布での変退色が小さいことから、絹布においてはNO_2による酸化過程に対するいわば抵抗力が存在することが伺われた。 3.SO_2に対する実験室的暴露実験におけるの結果から、本研究で用いた染色布についてはSO_2による変退色の影響は、NO_2に比較してほぼnegligibleであると結論できた。 4.実験室的暴露による変退色と環境暴露による変退色の程度は、若干の差異もあるが、comparableであると認められた。
|